第2章:異分子の排除
第46話「因果応報」
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つもりなんだろうけど、この束さんやちーちゃんを欺けるとでも?“分かる”んだよ。ちーちゃんも私も、お前が天才とも違う異質さを持ち合わせていた事を、とっくの昔に気づいていたんだよ。」
「っ、ぐ....!?」
胸倉を掴まれ、息苦しくなりながらも束の言葉を聞かされる一夏。
「それにさ、さー君はお前の洗脳のせいで死に掛けたんだよ。...どう責任取るつもり?」
「ひっ....!?」
このまま崖にでも突き落そうと言わんばかりな束に、一夏は怯える。
「まぁ、ちーちゃんに散々言われて、ここまで打ちのめされたんだし、このまま私が手を下すまでもない...か。君はもう、取り返しのつかない所まで来たからね。」
「えっ....?」
「私に見逃されなかった方が良かったと思える人生にようこそ。...それじゃあ、軽蔑と憐みに囲まれた生活を楽しんでいってね。」
そういって束は崖を飛び降り...そのままどこかへ行った。
取り残された一夏は、ただ茫然としていた。
「....くそ....。」
弱々しく一夏は悪態をつき、座り込む。
「なんで、俺がこんな目に遭わないといけないんだよ...!」
せっかく主人公に転生したのに、全く上手くいかない。
その事に、ただ憤りを感じていた。
=秋十side=
「因果応報って奴だな。なぁ、“兄さん”よぉ?」
「っ...!てめ...!」
束さんが去って行ったのが見え、俺はあいつに声を掛ける。
「束さんに散々言われてたみたいだな。まったく同情もしないが。」
「うるせぇ!なんで俺と違っててめぇは悠々といるんだ!俺と同じ転生者の癖に!」
束さんと違い、俺には強気で食って掛かってくる。
「...転生者とか以前にさ、俺の“居場所”を奪っておいて、何言ってるんだ?...いや、それだけじゃない。箒や鈴、マドカ、千冬姉に束さん...皆を洗脳しておいて、なんのお咎めなしな訳がないだろ?」
「ぐっ...!?」
掴みかかってきた所を軽く押さえ、そういう。
「それと、俺は転生者じゃない。桜さん...いや、この世界の神曰く、“織斑秋十”という肉体はイレギュラー...急遽創られた体らしいがな。だから、才能がなかった。」
「何を...!」
「イレギュラーだとか、転生者だとか、まるで異物のような扱いをしてるようだがな、“世界”にとって一番の異物はお前なんだよ。」
つい最近、桜さんから聞かされた。
こいつが転生者という存在だという事。桜さんが色々知っている訳。
...そして、俺の事も。
「なぁ、紛い物の“織斑一夏”。俺から奪ったその体の使い心地はどうだ?
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