第2章:異分子の排除
第46話「因果応報」
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....!?」
「...お前のする事だ。もう驚かん。まぁ、預かっててもらおうか。機体の方を没収するだけでも十分だからな。」
「いいのか?そんな軽い扱いで。」
驚きに言葉が出ない一夏を余所に、千冬は随分と甘い判断を下す。
「....教師として...いや、学園という一組織の一員として間違っているのは重々承知だ。....だが、今後お前は...。」
「オーケー、皆まで言うな。これ以上は突っ込まん。」
何か感情を抑え込んだような声色の千冬に、桜も察する。
これは、桜に対して掛けられる教師として最後の情けなのだと。
「...すまない。話が逸れたな。それでは、事情聴取は終わりだ。」
「......。」
「一夏、逃げようなどと思わない事だ。自分の犯した責任は自分で取れ。」
「っ....。」
その言葉を最後に、全員がその部屋から出て行った。
「俺は....。」
その日の夜。消灯時間前の海岸の崖に、一夏は佇んでいた。
「くそ....!」
“なぜ思い通りにならない”...そんな思いが一夏の中を駆け回る。
悉く自身の予想を打ち砕かれてなお、一夏は自分勝手な思いを抱いていた。
「―――そんなに“原作”に沿っていないのが不満?」
「っ...!?」
その時、後ろから聞き覚えのある声を掛けられ、一夏は思わず振り返る。
「た、束さん...!?」
「ホント、懲りないね君。未だに諦めていないなんて。」
冷たい目で見てくる束に、一夏は上手く言葉を出せない。
「正直ね、“原作”とかはどうでもいいんだよね。...でも、その“原作”に沿うためかは知らないけど、私たちを洗脳なんてしてさ....覚悟できてるの?」
「ひっ....!?」
明らかに怒っている。そんな雰囲気の束に一夏は怯える。
「な、なんで“原作”の事を...。」
「ネットに存在する二次創作の小説などにある、ゲームやアニメの世界に神やそれに近しい存在によって転生するジャンルを“神様転生”と呼ぶ。そして、その“転生者”はそのゲームやアニメの知識を“原作知識”と呼ぶ。...どう?間違っているなら訂正どうぞ。」
「なっ....!?」
間違ってなどいない。認識の違いによる細かい相違点はあったとしても、大体の意味合いは一切間違っていなかった。
「馬鹿だねー。いくらアニメや漫画の世界の中でも、同じようにネットなどがあるのなら、これまた同じように二次小説なんて腐るほどあるに決まってるじゃん。」
「あっ....!?」
「尤も、私たちにとって、この世界がアニメや漫画の世界だなんて、思え
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