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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン70 鉄砲水と封印の神
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(破壊)

 伏せカードと共にアモンは沈黙したまま、自らのモンスターが破壊されるのを無表情に見ている。もっとも戦闘破壊されることが仕事のディープ・ダイバーを守ることなどありえないから、あの伏せカードがミラーフォースや次元幽閉のような攻撃反応でない保証はない。
 あれこれ考えていると、アモンが口の端を歪めて軽く笑った。

「そんなにエクゾディアが恐ろしいか?無い知恵を絞って懸命にこちらの手を読もうとするのは結構だが、せっかく相手してやってるんだ。もっと本気で来てもらわないと、僕も……それにエコーも興冷めだろう」
「この……」
『まあ待てマスター。今の言葉、一理あると私は思う』
「あれ、チャクチャルさんまでそんなこと言うの?ていうか、今まで一体どこにいたのさ」
『その話は後でする、それよりも今だ。だいたい、私だってこういうことはあまり言いたくないぞ。私が口でどうこう言うより、マスター自身が一度痛い目にあった方がよっぽど身につくだろうからな。だが、流石にこれは目に余るぞ』
「……何が?」

 アモンの言葉だけなら、腹は立つけれどまあ挑発のたぐいだと聞き流すことができただろう。だがチャクチャルさんの話は別だ。信用するブレインが不穏なことを言いだしたのだから、その言葉には聞いておく価値がある。

『どうもマスター、あの壊獣を純で使っている間に変な癖がついたようだな。それとも、これもユーノの魂の影響か?だがおおかた怒りに任せて流されるような、自分本位なデュエルが多かったのだろう?』
「う。それはまあ、その……」
『だろうと思った。もちろん、相手の次の行動を先読みすることが悪いと言いたいのではない。それは使いこなせれば、マスターの立派な武器のひとつとなるだろう。だが問題は、相手を見ずに自分の中だけで思考を完結させていたことだ』
「相手を?」
『そうだ。長々と自分の殻に閉じこもって考えたあげく、やったことはただ殴るだけ。これでは何も考えずに突っ込むのと、結果だけ見れば変わりない。長考が悪いのではなく、その時に相手を、盤面全体を見る視野を失ったのが悪い。しかもそのあげく、出した結論すら空回りする羽目になる。私なら、恐らくエクゾディアパーツをサーチするぞ』
「バトルフェイズ終了時、ディープ・ダイバーの効果発動。僕はデッキから、封印されしエクゾディアをデッキトップに置く」

 チャクチャルさんの宣言と重なるように、アモンがエクゾディアの頭をこちらに見せてからデッキの上に置く。その時になってようやく、僕は自分の作戦の致命的な欠陥に気が付いた。

『そうだ。あのように召喚神やドローソースとなりうるモンスターではなくパーツを選ばれては、特殊勝利を狙うのか召喚神のリリース要因にするのかはわからないままだ。まだ見えないエクゾディアの影に怯むあま
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