ターン70 鉄砲水と封印の神
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のそばに寄り添うように、そして庇うように僕の前に立ちふさがった召喚神。アモンが完全に戦意喪失しているところを見るに、あの召喚神自身が意志を持って最後の抵抗に乗り出したのだろう。アモンを守りぬくことも、勝利に導くことも、もう不可能とわかっているはずだが、それでも黙って見ていることはできなかった。そんなところだろうか。
となると、やはりエコー。意識があるかどうかは知らないが、アモンを守りたい、その手助けをしたいという彼女の強い思いだけは、体が消滅した今もあの召喚神の中で生き続けているのだろう。
だが、そんな彼女の最後の意地も、エンドフェイズと共に終わりを迎える。
召喚神エクゾディア 攻4000→3000
「……ねえ、アモン。これだけ愛される素質はあったのに、どうしてこんなことになっちゃったんだろうね。説教なんて柄じゃないから長々とは言わないけどさ、1つだけ。そのことに気づけなかったのか、気づいていたのにその大切さに気づけなかったのか。どっちにしろその時点で、人間アモン・ガラムの中にあった王者の素質は、消えてなくなっちゃったんじゃないかな」
僕の声が、彼に届いているのかは知らない。僕はただ、言いたいことを言っただけだ。
「もう終わりにしよう、アモン。アイ・オブ・ザ・タイフーンで攻撃、パーフェクト・ストーム」
雲魔物−アイ・オブ・ザ・タイフーン 攻4000→召喚神エクゾディウス 攻3000(破壊)
アモン LP1000→0
「エコー……」
最後に彼が呟いたのは、自分のために最後まですべてを犠牲にした恋人の名前だった。そしてその体が、光となって消えていく。その光の最後の一粒を見送って、僕もデュエルディスクを片付けた。
「何があったのかなんて興味ないけどさ。本当に、何がいけなかったんだろうね」
「おやおや、君が勝ったのか。意外だね、てっきりアモンがもう少し頑張るかと思っていたけど」
ぽつりと呟いた言葉に、返事を返すものは誰もいない……なんてことはなかった。一体このデュエルをどこから見ていたのか、どうやら戻ってきていたらしい例のオレンジの人型の声に振り返る。
「ヨハン……?」
だがそこにいたのはいつものオレンジの人型ではなく、砂漠の異世界で僕が消えた少し後に行方不明になっていたらしいヨハン……のはずだ。きっぱりと断言できなかったは、目の前の存在が本当にヨハンなのか自信が持てなかったからだ。なるほど、確かに背格好もその顔も、ひとつひとつ見ていけばそれはヨハンそのものだ。服装が様変わりしているのも、まあこの世界に来てから着替えたんだろうということで理解できる。
だけど、まずあの眼だ。僕が知っているヨハンの目は、あんな不敵な光を湛えたオッドアイではなかったはずだ。しか
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