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Blue Rose
第五十話 入試テストその十一

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「今から楽しみです」
「よかったな、しかし長崎もよかっただろ」
「はい、最高でした」
「そうだろ、ここもな」
 長崎のこともだ、先生は笑顔で話した。
「いいからな、ずっと住んでいて思う」
「長崎はいい街ですね」
「本当にな、特に今は変な先生もいなくなったしな」
 衝夫のことだ、この先生はまともな先生なので衝夫を好きではなかったのだ。
「余計にいいな」
「学校がですね」
「ああ、本当によくなった」
 腐敗しきった教師がいなくなってというのだ、もっとも衝夫の様な教師は実際のところ日本の何処にもいるのだが。
「そのこともあるからな」
「学校もですね」
「変な先生がいるとな」 
 担任は衝夫のことを名前こそ出さないがあからさまに言った。
「一人でもな」
「学校全体に関わりますか」
「そうだよ、それだけで違うからな」
「だからですね」
「あの先生がいなくなったからな」
 衝夫のことをさらに言うのだった。
「よくなった、だからな」
「今の学校はですね」
「いい感じになった、本当にな」
「そうなんですね」
「剣道部がな」
 特にというのだった。
「よくなったな」
「あの部活ですね」
「部員の子が皆生き生きとしてるさ」
 そうなったというのだ。
「前と比べて」
「前は」
「御前も見ただろ」
「はい、何か」
「顔が暗かったな、皆」
「凄く」
「それが変わったからな」 
 だからだというのだ。
「本当によかった」
「そして学校も」
「いいこと尽くしだ、だから長崎にいてもな」
「悪くはですね」
「ない筈だが仕方ないな」
 優花を見て優しい笑みで言った。
「御前がそうしたいんならな」
「すいません」
「いや、謝る必要はない」
 それはというのだ。
「別にな」
「そうですか」
「ああ、御前は元々神戸にいたな」
「だからですか」
「神戸が好きなのも当然だ」
 生まれ育った場所だからというのだ、人はそうした場所即ち故郷に馴染みがあり愛情を持っているのは当然のことだ。
「だからな」
「神戸に戻ってもですか」
「当然だ、先生はここで生まれ育ってるが」
「私はですね」
「神戸だからな」
 故郷、そこがというのだ。
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