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レインボークラウン
第四百二十四話

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          第四百二十四話  バターとチーズ
 亜美は朝食の時にトーストにバターをたっぷりと塗っていた、それを見て彼女の母がこんなことを言ってきた。
「そういえばあんた前にチーズ作ってたな」
「牛乳から?」
「そんなことしてたやろ」
「それがどうしたん?」
「いや、よお作ったな」
 こう娘に言ったのだ。
「ほんまに」
「あれ結構作るの難しいねん」
「それをよお作ったわ」
「まあそうしたことしたいって思ってたし」 
 だからだとだ、亜美は自分の母に答えた。父も一緒にいるし兄弟達もいる。一日四人で楽しく食べている。
「やってん」
「冷たい中で振り回してなあ」
 ボトルの中に入れたミルクをだ、そうしてチーズを作ったのだ。
「バターも作ってたし」
「いや、どっちも魔法使うから」
「錬金術のやな」
「そんなに苦労せえへんで」
 こう母に話した。
「そういうの使ったらな」
「普通に作るよりか」
「楽やし」
「そうやねんな」
「冷やしたり熱したりするのも」
 その両方でというのだ。
「楽やで」
「そやから作られるんやな」
「別に大変でもないし」
「そうやねんな」
「ああ、それでまた作るで」
 亜美はそのバターを塗ったトーストを手に持って食べつつ答えた。
「バターもチーズも」
「それで食べるねんな」
「美味しくいな」
 笑顔でだ、亜美は言った。
 そうしてチーズも食べてだ、こう言ったのだった。
「こうしてな」
「そのチーズ市販のやで」
「バターもやな」
「あんたが作ったのとちゃうで」
「それでも食べるわ」
 市販のものでもというのだ。
「どっちもな」
「どっちにしても美味しいしな」
「それでやな」
 母娘で話した、そうして亜美はチーズも食べた。バターにしても市販であるがどちらも確かにかなり美味しかった。


第四百二十四話   完


                     2017・2・23
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