18部分:第二話 夜叉八将軍その六
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構えた武蔵から小次郎が感じたものは。ただの気配ではなかった。
彼がこれまで感じたことのない気だった。その恐ろしいまでの闘気を前にして小次郎も顔を強張らせる。
「こいつ・・・・・・できる」
「では参る」
構えた武蔵が一歩すっ、と前に出た。
「風魔、覚悟するのだな」
「くっ、負けてたまるかよ!」
小次郎も構えた。右肩から剣を下に向けて構える。あえて武蔵と同じ中段は取らなかった。
「ここで手前を倒して他の奴等も倒しておくんだからな!」
「できればな」
その言葉と共に武蔵が一歩前に動いた。すると突きが小次郎に放たれた。
「うわっ!」
小次郎はその突きをすんでのところでかわした。速いだけではなかった。その威力もかわした彼の頬を風圧で切り裂く程であった。小次郎は己の頬を流れる血を見て冷や汗をかく。
「何テ攻撃だ。まともに受けていたら」
「今のをかわしたか」
武蔵は己の突きをかわした小次郎に対して述べる。目がやや鋭くなっていた。
「流石だな。壬生を退けただけはある」
「言っただろ。俺一人でかたをつけるってな」
「では。やってみるがいい」
言いながら一旦間合いを離してきた。
「この飛鳥武蔵を倒してな」
今度は上から下に切ってきた。小次郎はそれを己の木刀で受け止める。それから左から右に横薙ぎに払うがそれはあえなくかわされた。
「身のこなしも万全ってわけかよ。ならよ!」
さらに攻撃を仕掛ける。今度は上から唐竹割だ。だがここで。
切ったと思ったその瞬間に武蔵の姿が消えた。小次郎は思わず周りを見回す。
「何っ、何処だ武蔵!」
「ここだ」
後ろからだった。その声と共に攻撃が来た。
「うわっ!」
その攻撃は上から来た。転がって慌ててかわす。何とか攻撃をかわしたがまた来た。横に縦に縦横に攻撃を繰り出してくる。時折その手の中で長剣を振り回す。それからまた攻撃を出してくる。小次郎はそれを交わすので精一杯だった。しかしその中で何とか攻撃を出した、しかし。
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