第十一幕その三
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「それ以前から真面目だと言われてきましたが」
「軍人としての訓練を受けて」
「この様になりました」
「そうなのね」
「はい、左様です」
「カドリングには他にも軍人さんがいるけれど」
それでもと言うドロシーでした。
「大佐程軍人な人はね」
「おられないですね」
「そうよ」
まさにとです、ドロシーはじょーじに言いました。
「本当にこの人は別格よ」
「まさに軍人の中の軍人ですか」
「そう思うわ」
そこまでだというのです、そしてアンは大佐の五分前というお言葉に少し考えていましたが決断を下しました。
「わかったわ、八時五十五分よ」
「その時間にですね」
「王国の出入り口に行きましょう」
「それでは」
「ええ、そうしましょう」
こうしてでした、皆はその八時五十五分に王国の正門である出入り口に集合しました。すると九時になるまでです。
皆は待ちました、その五分についてトトは言いました。
「この五分が大事なのね」
「そうなのね」
ドロシーはそのトトに応えました。
「五分前に全部用意をしてね」
「その場所で備えておくんだね」
「これが軍人さんなのね」
「そうなんだね」
「はい、私はそう考えています」
腰のサーベル、金色の鞘と柄のそれに左手を添えつつです。大佐はドロシー達に答えました。
「その様に」
「それでなのね」
「今回も進言しました」
「五分前行動ね」
「それを」
「そうなのね」
「では、です」
「あと少しで」
「グリンダ様が来られます」
こう皆に言うのでした、そして実際にです。
グリンダが来ました、グリンダは赤い光に包まれて姿を現しました。そして自分の前にいる皆を見て言いました。
「あら、もう待っていてくれてるの」
「お待ちしていました」
大佐が敬礼をしてグリンダに応えます。
「ようこそ来られました」
「ああ、貴女が進言したのね」
「はい」
その通りとです、大佐はグリンダにもキビキビとした口調で答えます。
「五分前でお待ちしていようと」
「そうなのね」
「いけなかったでしょうか」
「いけなくはないけれど」
少し苦笑いで答えたグリンダでした。
「また生真面目ね」
「そうですか」
「ええ、そこまで堅苦しくなくても」
それでもというのです。
「いいけれど」
「いえ、これが職務なので」
だからとです、大佐は言うのでした。
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