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オズのアン王女
第十一幕その二

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「道具を使うだけでなく呪文を唱えるものも出来ていて」
「そうなのよね」
「グリンダさんやオズマ姫はそういした魔法も使われますね」
「最近はよくね」
「そうですね」
「魔法使いさんはそうした魔法よりもね」
 オズの国の偉大な魔法使いの一人でありかつては国家元首だったこの人はといいますと。
「道具を使ったり手品や器具からやっていく魔法が多いわね」
「あの方はーー今もーーですーーね」
 チクタクも言います。
「そうーーですーーね」
「ええ、あの人の個性ね」
「そしてグリンダさんがね」
 トトが言うことはといいますと。
「呪文を唱えてここに来るんだね」
「そうです」
 大佐はトトにも礼儀正しいです。
「もう暫くお待ち下さい」
「さて、ではね」
 アンは大佐の言葉を聞いて腕を組んでです、考えるお顔で言うのでした。
「九時には国の正門に行きましょう」
「いえ、八時五十五分です」
 大佐は九時と言ったアンに強い声で進言しました。
「その時間にはこの国の出入り口にです」
「皆でなの」
「行きましょう」
「五分前なの」
「はい」
 まさにというのです。
「その時間にはです」
「あの場所に皆で待っているべきなの」
「全て五分前です」
 大佐の強い声は変わりません。
「行動は」
「どうして五分前なの?」
「何かあってもすぐに対応出来ますので」 
 だからというのです。
「五分前なのです」
「そうなのね」
「何かそれって」
 恵梨香は大佐のその言葉を聞いて言いました。
「本当に軍人さんですね」
「そうね、五分前の精神は」
 ナターシャも恵梨香に応えて言います。
「まさに軍人さんね」
「ここまで軍人さんらしい人は」
 神宝も感嘆しています。
「オズの国にはいなかったから」
「そうそう、これまでね」
 カルロスは神宝に応えて言いました。
「何から何までって人は」
「外の世界じゃおられるにしても」
 それでもとです、ジョージもそうした大佐に尊敬の念を感じています。
「オズの国ではね」
「ええ、私も他に知らないわ」
 オズの国の隅から隅まで冒険をしてあらゆる人とお友達のドロシーも言います。
「大佐程軍人である人はね」
「そうだよね、僕も知らないよ」
 いつもそのドロシーと一緒にいるトトもです。
「ここまで生真面目な軍人さんはね」
「そうよね」
「あの、大佐はずっとそうなの?」
「はい、グリンダさんにお仕えしてから」
 そうだとです、大佐はドロシーに答えました。
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