暁 〜小説投稿サイト〜
世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
25話 日常回その2
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「……頂戴。砂糖もミルクも無しでお願い」

 余りにも雑な話題転換に楯無しは溜息を1つ零すが、自分も鬼一も疲れているのだ。これ以上疲れるのはゴメンだ。まだ仕事は山積みなのだから。

「分かりました」

 テキパキとした動作で紅茶を入れる準備を進める鬼一を眺める楯無。楯無からすればまだ粗雑なそれだが、素人とも言えないその手つきは真剣なそれだ。

 ―――この子、意外と凝り性なのよね。気がついたら紅茶用のポットなんかも部屋に持ち込んでるし。

 鬼一は凝り性ではない。単純にセシリアが紅茶を嗜んでいて、それを理解しようと思って自分も紅茶を淹れて飲んでみたらその不味さにスイッチが入っただけだ。気がついたら道具や茶葉を揃えていただけの話。

 ただ悲しいのはセシリアと紅茶絡みの話題などを実際に交わすことがないという点だ。

「その持ち帰ってきたそのDVDと紙の束は?」

 鬼一の机の上に積み上げられたDVDケースとクリップで止められた紙。

「アリーナで録画されていた映像と1年生の特徴や癖を抑えた書類ですね。DVDさえ用意すれば自由に部屋に持ち帰ってもいいじゃないですか。入学から今日に至るまでの1年生達のを集めれるだけ集めて、整理しました」

「ふぅん? 学年別トーナメントの準備ってわけね。随分と早いわね」

「準備に際限はありませんけど、準備不足というのはありますからね。それで泣くのも寒いですし」

 ―――この子を上手く休ませる方法ってないのかしら。本人も自覚してる部分もあるだろうけど、本人が思ってる以上に疲れているのは間違いないだろうし……。

 どうも今の鬼一は地に足がついていない印象が楯無の中にはあった。クラス代表決定戦の時はこうではなく、もっと自分のことを理解していた。

 とはいえ今はそこまでそれは重要ではない。楯無は頭の片隅にそのことを放り投げる。今は休ませることだけを考えた。

「鬼一くん、お休みの間は何かするの?」

「……」

「おんやぁ? 鬼一くん、何かあったのかなぁ?」

 問いかけに動きを止めた鬼一。そしてそれに面白そうな空気を感じ取った楯無。動きを止めた鬼一だったが、冷静に紅茶をカップに淹れて楯無に手渡す。

「……何にもないですよ。いつも通りトレーニングと休息で予定は埋まってます」

「ふぅん? セシリアちゃんと何かするんじゃないの?」

「まさか。セシリアさんだって忙しいんですからそんな暇ありませんよ」

「鬼一くん? 私の目を見て言ってもらえる?」

「……」

 見つめ合う鬼一と楯無。楯無は鬼一の瞳が泳いでるのを見て確信する。

「へー。やっぱ、何かやるんじゃない。涼しい顔してやるわね鬼一くん」

「……」

 紅茶に一
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