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俺たちで文豪ストレイドッグスやってみた。
第2話「騒乱の序曲」
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んな訳で僕達探偵社は、君の護衛をする事になった。急で悪いけれど、まあ了承して欲しい」

「ちなみに悪いが、拒否権はない。アンタがあいつらに捕まると、相当に不味い事になるんでな。それ相応の不自由は覚悟してくれ」

 双樹が後ろから顔を出し、そう補足する。それによって絵里の顔が暗く沈み、彼女は双樹に一つ問いを投げた。

「警察は、動いてないんですか?」

「動いてはいる、が、多分ダメだろう。警察は対異能者犯罪専門って訳じゃない、今もアジトに向かっちゃいるだろうが……まあ、返り討ちが妥当だな」

 双樹が相変わらず無感情な瞳で、窓の外を見つめる。国家の守護者達を相手に散々な物言いだが、あの女――『カミサキ』を見てからだと、あながち間違いだとも言い切れなかった。

「……そうですか」

 彼らが保護に動いてくれているとは言え、それほどの相手が自分を狙っていると言う事実。それが、酷く恐ろしかった。







 ◇ ◇ ◇







「……準備は良いな?突入するぞ、構えろ」

 RATS(ラッツ)――警察に所属する特殊部隊、その隊長が、サブマシンガンを携えて右手を掲げる。それを合図に他の隊員達も各々の武器を構え、振り下ろすと共に扉を蹴破った。
 次々と部屋の中に武装が施された隊員達が流れ込み、その銃口で部屋の中に存在する一切に照準を向ける。

「動くな、警察だ!武器を足下に置いて両手を上げろ!」

 隊長がそう声を張り上げて、部屋の中心にいる五人にそう警告する。銃口を向けられたその五人――『カミサキ』と、彼女を守るように佇む四人の男が視線を彼に向け、しばし沈黙した後、ホルスターに入っていた拳銃を地面に置いた。
 照準を一瞬たりとも彼女らから逸らさず、妙な動きを見せれば即刻射殺する。その許可は既に降りている。

「よし、武器は置いたな。なら、両手を頭の後ろに組んで――」

「お待ちしていましたよ、RATSの皆さん」

 唐突に。
『カミサキ』が両手を広げて、歓迎の意を示すように演劇じみた動作を見せる。隊員達は警戒の姿勢を取って銃口を一斉に彼女へと集わせるが、彼女は何も臆した様子はない。
 視線を集めきった事を把握した『カミサキ』は一つ頷くと、再度口を開いた。

「さて、まずは……両手を頭の後ろに組め、でしたか」

『カミサキ』はそう言って両手を上げ、そのまま頭の後ろに組む。妙に従順なその姿に困惑しつつも一つ頷いて、他の男達に視線を向ける。そうして同じように指示を出す――

 寸前に。

『カミサキ』の手首が、何か光ったように見えた。

「――っ!?」

 即座に銃器を構え直すが、飛来した極小の『何か』が特殊部隊専用の装備の隙間を抜け、素肌に突き刺さ
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