暁 〜小説投稿サイト〜
俺たちで文豪ストレイドッグスやってみた。
第2話「騒乱の序曲」
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絵里の前に回り込んで、その?を両手で挟み込んだ。
 突然の事に困惑する絵里に、少女がにっこりと笑って話しかける。

「はーい、落ち着いてー。リラックスリラックス、深呼吸です。安心して下さいね、ご両親は無事ですからー」

「で、でも……っ、電話、繋がらなかったし……テレビでも……!」

「『そういう事にしている』だけです。素直に助かったって言っちゃうと、また狙われちゃいますからねー。たっちゃんが保護していますよ。安心して下さい」

「あ、たっちゃんっていうのは、この前僕と一緒に居た彼ね。ご両親はここから少し行った別の家に居るから、誰か後で護衛でも付けよう。なんなら、後で電話でもするといい、前の携帯は家と一緒に焼けてしまったから、新しい番号になるけどね」

 そう言って健が手に持ったスマホを見せると、やや不安そうな顔をしながらもしっかりと生きている、自分の両親が写っていた。その傍らにはあの時の青年も写っており、写真下の文面には『任務完了』の旨が記されている。
 安心したせいか、その場にへたり込んでしまう。一つ大きな溜息を吐いて、眼から零れ落ちそうになる涙をぐっと堪えた。少女が隣にかがみ、その背を優しく撫でる。

「ごめんごめん、少し意地悪だったかな」

「そうですよー、年頃の女の子はナイーブなんですからー」

 少女が憤慨したように形だけ装って文句を言い、健が苦笑する。そんなやりとりをなんとか落ち着かせた心で眺め、冷静になっていくうちに一つの疑問が浮かんだ。

「そういえば……なんでそこまで、してくれるんですか?」

「うん?ああ、それは君の能力が……って言っても、これを言わなきゃ分かんないかな。一から説明するよ」

 健は一つ指を立てて口を開く。
 曰く、絵里の能力は絵に描いたものをなんだろうと具現化する――それは絵里自身も知っている力だ。だが、問題はそれによって具現化できる物にあるらしい。それを求めて、あのマフィア達はこの力を狙っているのだという。

「はーい、健さーん。それってなんでしょーかー!」

 勢い良く手を上げながら言う『かずのこ』と呼ばれた少女に、健が笑って立てた指をピシリと向ける。

「いい質問だね、かずのこちゃん。それはね、『古代機(オーパーツ)』と呼ばれるものだ。『能力を自在に生み出す機械』、と言えば分かりやすいかな。今はもう失われてるけどね……小腹空いたな、双樹くーん?」

「はいはい頼まれてたポテチね、そら、豚のように貪れ」

「痛い!」

 気怠げに声を上げた健の顔面に双樹の投げたポテトチップスの袋がクリーンヒットし、大袈裟に仰け反りつつもそれをうけとめる。「ふつーに渡せないのー?」などと文句を垂れつつ、三人が囲むテーブルに袋を開いた。

「……とまあ、そ
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