第三章 X《クロス》
戦場
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「お、ダァ!!ぅおッ!!?」
コックローチアンデットの拳が一刀に伸び、それを左上腕で受けて右手で払い落としてからそのまま右拳を叩きこむ。
が、それをコックローチアンデットは屈伸で回避し、一刀の腹部を鉤爪で引っ掻くかのように裂いていく。
それには一刀もたまらず下がり、腹を押さえて驚愕する。
上級アンデットと交戦するのは初めてだが、まさかここまで強いとは・・・・!!
「さぁ(バッバッ)、もっと俺を(スゥ〜)、楽しませてくれい!!(ダンッッ!!)」
一連の構えの動作を行いながら、コックローチアンデットが一刀を挑発する。
その構えに一切の無駄はなく、武人というのがふさわしいほどのものだ。
「ぜってーコスイ手使って来ると思ったのにな・・・・」
「あん?モチそういうのも使わないことはないがな。どっちかってーとそりゃドーベルの犬っこだ」
ダッ!!
そう話しながらも、コックローチアンデットが一刀に向かって中段突きを放って突っ込んできた。
まるで砲弾だ。漆黒の体がさらにそれを連想させる。
それをバックして下がる一刀。その後の追撃も次々と回避する。
が、ついに後ろがなくなり、背中にドっ、と壁が当たった。
「まず・・・・」
「もらったぁ!!」
「ッッ!?」
それを見逃すことなく、コックローチアンデットが顔面に向けて正拳突きを放ってきたのを、一刀が下半身を脱力させて一気にしゃがみこみ回避する。
一刀の頭上を拳が通過し、壁にボッ、という音と共にきれいな穴をあけていく。
「う・・・っそぉ」
「ラぁ!!」
「ぉうぁあ!!」
と、そこから腕を引き抜き、回し蹴りを放つコックローチアンデット。
しゃがんでしまっている一刀は受けるしかなく、とっさに巨大な金棒「鈍砕骨」を取り出してそれを盾にしながら吹き飛んだ。
直撃は避けたために吹き飛んだだけで大したダメージは通っていない。
しかし、背中をジットリと嫌な汗が伝っていくのがわかる。
一刀は翼人としては一番の後輩だ。
覚醒が遅かっただけではない。
観鈴、理樹、クラウドの三人は、もともとそう言った力を元の世界で使った経験がある。
それは前世の記憶から
それは虚構世界で
それは宿敵との戦いの旅で
しかし、一刀はそう言った力に飲み込まれて時空移動をしたことはあったが、自分自身が力を発揮したことはない。
ゆえに、翼人の中で最も多くの力を使え、最も扱えきれていないのだ。
「オォっ!!」
「う、ぬゥッ!!」
が、しかしそうはいってもやはり翼人。強いかどうかと
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