第三章 X《クロス》
戦場
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しかし
「ハァぁッッ!!」
「グッ、ォ?」
クロコダイルアンデットの体がぐらりと揺れる。
あまりの硬度にクラウドの剣は刃こぼれをしてしまっているが、そもそも斬れないのだから大した問題ではない。
「この・・・やろう・・・頭ばっか殴りやがって・・・」
「いくら皮膚が固くとも、衝撃は確実に脳に届いたようだな」
「揺れ・・・チッ・・・おグぁッッ!!??」
クラウドの攻撃がクロコダイルアンデットの皮膚には通らずとも、その脳を確実に揺らし、脳震盪を起こさせる。
視界が歪み、平衡感覚がなくなったクロコダイルアンデットに、クラウドの蹴りが命中し、その体がゴム毬のように廊下を撥ねてすっ飛んで行った。
「翼人を舐めるな!!!」
「クッ・・・ザァッっ!!!」
頭を押さえて振りながら立ち上がるクロコダイルアンデットに、クラウドが大剣を一つにし、滑空するように向かっていく。
それを上体を逸らして躱すクロコダイルアンデット。
そこからの噛みつき。
が、クラウドもそれを見切って回避、再び攻撃に移る。
互いの体が揺れ、激しい攻防が行われている。
このやり取りではまだ致命的な一撃は入っていないが、クロコダイルアンデットの牙や爪が徐々にクラウドを掠り始めている。
それに対し、クラウドが狙うのはこいつの目玉やのど元だ。
もはや斬れるであろう場所は、そこしか思いつかない。
しかし、相手もそれは解っている。
だからこそ、そこだけを重点的に守っているのだ。
「クラウドさん!!」
「!!(バッッ!!)」
と、そこに観鈴がクラウドに向かって叫び、それに気づいたクラウドがその場からバックステップで離脱する。
そしてその直後、クロコダイルアンデットに向かって観鈴からの衝撃砲が放たれた。
それは竜巻のようなもので、一本のその衝撃砲の中には乱回転をするいくつもの竜巻が内蔵されている。
そんなものを食らえば、どうなるかは明白だ。
上半身が右に、下半身が左に、頭が下に、腕が前に、足が上に
そんなめちゃくちゃな方向に捻じ曲げられていき、クロコダイルアンデットの全身から緑の鮮血が噴き出してきたのだ。
「げ・・・ふ・・・・」
「今だ!!」
そのタイミング。
その瞬間に、クラウドが大剣に魔晄を込めて大きく振り上げて構えた。
そしてその剣に観鈴がさらに衝撃を纏わせ、電動ノコギリのように超振動させる。
準備は整った。
「行くぞッッ!!!」
「ぬ・・・ぐぅぅうう!!!」
ドォウ!!
そんな風の音を置き去りにして
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