第三章 X《クロス》
強奪
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イクスをその腕に抱えて気絶させ、その場から逃走を始めていた。
「!!!」
「足いった〜シビレル・・・だがもらったぞ、冥王の名を冠する兵器を生産しうる少女!!!」
そう叫んだかと思うと、シュバッ!!という音とともに、ドーベルマンアンデットの姿がその場から消えた。
「ぐ・・・理・・・樹さん!!追えませんか!?」
『クラウドと違って、僕に加速開翼の力はないんだ!!でも大丈夫。居場所はわかってるから!!』
そう叫ぶのは、瞬風の中に戻っていた理樹。
モニターには海の上を走るという芸当をこなしながら逃走するドーベルマンアンデットと、その腕に抱えられたイクスが映っていた。
「ここからなら射程内だけど・・・・」
「ダメだ・・・イクスも巻き添えになってしまう!!「瞬風」搭載の武器は使えない!!」
モニタールームではそう言った言葉が交わされていた。
瞬風で海上を走るドーベルマンアンデットを追ってはいるものの、いかんせん手を出せる状況ではないのだ。
しかも、もし市街地に逃げ込まれるとまずい。
否、地上を逃げられるだけでもまずいのだ。
今のドーベルマンアンデットはさほど早くない。
しかし、それはクロックアップや風足と比べた場合であり、理樹の飛翔と同じぐらいの早さだ。
そのスピードで、瞬風は追いかけている。
この速度でこの巨艦が陸の上を飛べば、その突風で地上が危険にさらされる。
どれくらい危険かと言えば、車が木の葉のように舞うくらい危険である。
かなり上空に上がれればいいのだが、消火活動から追い始めたので高度が足りない。
そして今から上昇しては、その間に逃げられてしまうのだ。
もしここで仮に、理樹が飛び出して追っていけば、確かに追いつく事は可能かもしれない。
しかし、それまでだ。
こうして戦艦には乗って来てはいるものの、まだ先日のクロコダイルアンデットとの戦闘のダメージも全快しているわけではない。
この状況でドーベルマンアンデットと戦い、負けずにイクスを無事に奪い取ることは、あまりにも現実的ではないのだ。
さらにはもし万全でも、彼はあくまでも賢者タイプ――――防御の翼人だ。
一刀も賢者タイプに入るのだが、あれはまた特別な部類。
基本として、賢者タイプの翼人は、防御や能力に重きを置いたタイプ。
本来ならば攻め込むのはクラウドや「彼」のような戦士タイプであるべきなのだ。
この場にエリオやスバルがいれば、必ず取り戻せた。
二人と理樹がそろえば、必ずあいつを止め、イクスを奪い返せる。
しかし、この現状のメンバーでトップ
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