暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第三章 X《クロス》
強奪
[4/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
イクスをその腕に抱えて気絶させ、その場から逃走を始めていた。



「!!!」

「足いった〜シビレル・・・だがもらったぞ、冥王の名を冠する兵器を生産しうる少女!!!」



そう叫んだかと思うと、シュバッ!!という音とともに、ドーベルマンアンデットの姿がその場から消えた。




「ぐ・・・理・・・樹さん!!追えませんか!?」

『クラウドと違って、僕に加速開翼の力はないんだ!!でも大丈夫。居場所はわかってるから!!』




そう叫ぶのは、瞬風の中に戻っていた理樹。
モニターには海の上を走るという芸当をこなしながら逃走するドーベルマンアンデットと、その腕に抱えられたイクスが映っていた。




「ここからなら射程内だけど・・・・」

「ダメだ・・・イクスも巻き添えになってしまう!!「瞬風」搭載の武器は使えない!!」




モニタールームではそう言った言葉が交わされていた。


瞬風で海上を走るドーベルマンアンデットを追ってはいるものの、いかんせん手を出せる状況ではないのだ。


しかも、もし市街地に逃げ込まれるとまずい。
否、地上を逃げられるだけでもまずいのだ。


今のドーベルマンアンデットはさほど早くない。
しかし、それはクロックアップや風足と比べた場合であり、理樹の飛翔と同じぐらいの早さだ。


そのスピードで、瞬風は追いかけている。
この速度でこの巨艦が陸の上を飛べば、その突風で地上が危険にさらされる。

どれくらい危険かと言えば、車が木の葉のように舞うくらい危険である。


かなり上空に上がれればいいのだが、消火活動から追い始めたので高度が足りない。
そして今から上昇しては、その間に逃げられてしまうのだ。




もしここで仮に、理樹が飛び出して追っていけば、確かに追いつく事は可能かもしれない。

しかし、それまでだ。
こうして戦艦には乗って来てはいるものの、まだ先日のクロコダイルアンデットとの戦闘のダメージも全快しているわけではない。

この状況でドーベルマンアンデットと戦い、負けずにイクスを無事に奪い取ることは、あまりにも現実的ではないのだ。


さらにはもし万全でも、彼はあくまでも賢者タイプ――――防御の翼人だ。
一刀も賢者タイプに入るのだが、あれはまた特別な部類。


基本として、賢者タイプの翼人は、防御や能力に重きを置いたタイプ。


本来ならば攻め込むのはクラウドや「彼」のような戦士タイプであるべきなのだ。




この場にエリオやスバルがいれば、必ず取り戻せた。
二人と理樹がそろえば、必ずあいつを止め、イクスを奪い返せる。


しかし、この現状のメンバーでトップ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ