第三章 X《クロス》
破壁
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ンフォンフォン!!!
走り出そうとするクロコダイルアンデットの前に立ち、うっすらと青い粒子をためた掌を流すように構える理樹。
クリスタルのような外見の小さな盾が連続で現れ、理樹が完全に臨戦態勢に入った。
ここから先は通さないという、確かな意思がそこにある。
「さぁ、かかってこい!!」
「舐めやがってぉおぁ!!!」
そうして、クロコダイルアンデットが理樹にとびかかっていき、その巨大なアギトで喰らいついていった。
体を捻り、理樹の体を左右から挟むようにして上顎と下顎を閉じるクロコダイルアンデット。
理樹は自分の体をバリアで作った箱に入れ、それを難無く防いでいた。
「かみつくだけじゃ、このバリアは壊れないよ」
「ほぅか?でふぁこふしほう!!」
ではこうしてやろう、と言ってクロコダイルアンデットがそのまま顎を持ち上げた。
それによって、理樹は「箱」の中で横倒しにされる。
「う、わ!?」
「ン゛ン゛ン゛ン゛ン゛ン゛ン゛ン゛!!!!」
ギリギリギリギリギリ!!!
そしてとてつもなく大きな軋みを起こしながら、クロコダイルアンデットの牙と理樹のバリアが火花を散らす。
その目の前で起こるスパークに、理樹が眼を眩ませながらも、その硬度に驚愕していた。
並みの武器でこのバリアを全力で攻撃した場合、その反動で武器の方が破壊されることが多い。
それほどまでに硬いのだ。
それに対し、これほどに責め立て、ヒビ一つ入らないその強靭なあごと堅牢な牙。
しかも、それだけには終わらなかった。
「轟オオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」
ギャオッ、ゴゴォ!!!
クロコダイルアンデットはそのまま理樹を壁や地面に叩きつけ、さらなる衝撃を持って破壊しにかかった。
いくらなんでも、これでは理樹もたまったものではない。
バリアからビリビリと振動が伝い、それが空気を伝って理樹を直接叩きつけているのだ。
「うゥゥウウウあ!?こ・・・れは・・・ちょっと・・・!?」
叩きつけ、ブン回し、顎の筋肉を収縮させる。
その動作が、ついにこの生物の持つ能力を、最大最恐にまで引き出す技にまで到達した。
グルンッッッ!!!ゴガガガガガガガガガガ!!!
時に
デスロール、という技を知っているだろうか。
ワニが標的にかみつき、その体を引き千切ろうとする際に用いる技である。
その動作は豪快にして破壊的だ。
標的に噛みつき、身体を回転させることでただえさえ
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