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世界をめぐる、銀白の翼
第三章 X《クロス》
火災
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「恭介からの通信・・・え?」



と、そこに力の通信に恭介からの連絡が。

ミッドチルダのビルで大規模火災が発生。
それに対し、「船」の解除を願うといった内容だった。



「!!ご、ごめん!僕こっちに行くから!」

「じゃあ解読が終わったらすぐに送りますね!!」

「こーら!ヴィヴィオはまだ授業があるで・・・・」




ドォンッッ!!!!




ヴィヴィオが急いで解読しようとするのを、学校があるだろうと諌めるなのは。

しかしその言葉を、とてつもない爆音が遮り掻き消してしまった。




それに、爆音だけではない。




教会そのものも揺れたし、よく見ると学校の方からももくもくと小さな火が上がっている。
どうやらさっきの衝撃でボヤでも起きたようだ。



「た、大変!!」

「いったい何があったのです!?」

「・・・駄目です、連絡が取れません!!」

「急いで怪我人の救護と治療、そして鎮火を!!」



「なんだ・・・いったい何が・・・!?」



あまりにもいきなりすぎた振動と衝撃に、理樹がよろめいていから立ち上がり、医務室の扉をがらりと開けて廊下を見た。


すると





「かつての王の魂を正確にコピーした希少なる魂・・・・まさにちょうどいい」





廊下に、化け物がいた。

そいつは突出した巨大な顎をもち、まるで・・・というか、まさに鰐といった感じの風貌をした怪人だった。
しかもそいつは言語を操り、さらには明確にヴィヴィオをターゲットといって指差しまでしてきた。


「・・・・カリムさん、シャッハさん、早く救助と、この事態の鎮静に向かってください」

「え?あ、あれは・・・」

「あれは僕が何とかします。ここに詳しいあなたたちなら、大事故になる前に全員を助けられるはずです。急いで!!!!」



「は、はい!!」

「行きましょう、シスターシャッハ!!シスターセインやオットーたちにも連絡を!!」



そうして、カリムとシャッハが事態収拾のためにその場から離脱した。
怪人は周囲の悲鳴や逃げる人々には見向きもしないで、ただまっすぐにこっちを見ている。


そうして、周りに誰もいなくなったころ。



「レイジングハート、セットアップ」

《stand by ready.set up.》



なのはがバリアジャケットとレイジングハートを展開させ、この怪人に向き合った。
当然だ。自分の娘を狙っているといわれて、引くような人ではない。



「なのはさん。あいつのベルト見てください」

「?・・・あれは・・・」

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