第三章 X《クロス》
攻防
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て、しかも言語を発していた。上位である。
「行け」
そう一言、脇にいるアンデットに発すると、うち一体がマンションの壁に張り付いてひょいひょいと登っていく。
全身は緑。四つん這いになって這っていくその姿は間違いなくカエルのそれだ。
そうして、ある一室の前にぴたっと止まって、中をぎょろぎょろと確認しはじめた。
深夜とあって、部屋の中は真っ暗だ。
しかしそうでなくても、この部屋には生活感という物が稀薄な気がする。
そして、フロッグアンデットがその中に侵入しようと、口の中をモゴモゴさせてから何やら紫色の液体をべっ、と吐き出し、べちゃりと張りつけた。
すると静かにガラスは溶け、大穴があいてその穴から侵入しようと手をかけた。
《final vent》
そんな時だ。
そんな無機質な音声が聞こえ、小さく、本当に小さなタンッ、という音を立てて、屋上から何かが飛び降りてきた。
頭上を見上げるアンデットには何も見えない。
視界に広がるのは漆黒の夜空と、マンションの小さな光のみ。
しかし直後、そこには敵がいたということを、フロッグアンデットは身体を顔面から貫かれながら思い知った。
見えたのは、漆黒の中でもさらに黒さを映えさえた一点。
そしてそれは一筋の斬撃となって、フロッグアンデットを貫き、地面に叩きつけたのだ。
ドシャッ、という音を立てて、フロッグアンデットが落ちてくるとそこにカードが突き刺さり、その体を消滅させた。
カードが飛んできたのは、マンションの陰から。
そこに立っていたのは、アギトと龍騎の二大ライダーだ。
「貴様らは・・・・」
「城戸さん、あいつしゃべってますよ?」
「上位アンデット、って言うらしいな。強いみたいだぞ?」
と、そこにさらにふわりとマントをなびかせて、仮面ライダーナイトもその場に降りてきた。
「馬鹿とアホで会話してないで、早くこいつらを倒すぞ」
「はーい」
「蓮、俺のことバカって言うなよ!津上も、はーいじゃないだろ!?」
そんな漫才をする三人だが、目の前のアンデットはそれを見ても特に反応することはなく、三人を見ていた。
「仮面ライダー・・・というものか」
「ん?そうですけど、あなたは?」
「自己紹介して仲良くなろうという間柄でもあるまい?」
「まあ、そうですけどね」
「はぁ・・・やるぞ。お前はそっちだ」
アギトとそんな簡単な会話をしてからそう命じると、残った一体のアンデットが走り出し、ナイトに襲い掛かって行った。
「
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