暁 〜小説投稿サイト〜
詩織の【全裸のモーニングサービス】
彼が寝ている隣の部屋で
[1/3]

[1] 最後
夏休みの朝、私の部屋には二人の男がいた。

ひとりは(タツヤ)だけど、もうひとりは、ミツキとかいう名前だったな。どんな字を書くんだろう?

ふたりは昨夜1時過ぎ、酔った状態で転がりこんできた。どんな飲み会だったか知らないが、かなりの泥酔。
お手洗いを貸し、水ぐらい飲ませたけど、あとは放置……したかったけど、ふたりとも勝手に下着姿になって床に寝たものだから、毛布はかけてやった。

私も、いつもの格好(ショーツ一枚)で寝るわけにはいかず、
Tシャツとホットパンツでベッドに入った。

で、朝。
彼でないほう、つまりミツキ君が先に起きるのは、お約束よね。

――おはようございます。ご迷惑おかけしました。

礼儀正しいミツキ君だった。
もちろん、きちんと服を着てるよ。

というわけで、ここからは、“彼”というのはミツキ君のことだからね。

Tシャツに生脚のままの私は、彼と一緒に朝食。ご飯に味噌汁。スクランブルエッグ。
彼はお酒の分解が早いのだろう、見たところ、完全に平常だ。

コーヒーはインスタントだけど、いわゆるモーニングコーヒーの気分だった。

あ、彼は全然私のタイプじゃない。嫌いとまでは言わないけど、なんというか、ねぇ。

ところが、

食器を流しに運んだあとだった。

彼が、私に見せた自分のガラケーの画面に、あっと声を上げてしまった。

私のヌード画像。

ベッドに腰かけた全裸の私の乳房や脚が、自分で言うのもなんだが、美しい。実は嬉しかった一枚だ。
サンタフェ、とかいう超有名な写真集に、似たようなカットがあるらしい。

夕べの飲み会で、どちらからともなく恋人自慢になった時に、“証拠”として赤外線で送りつけられたのだという。

「消しますね」

彼はガラケーを操作しようとする。

「いいよ。持ってて」
つい言ってしまった私。

驚く彼。

だって、正直だから。
削除も保存も、私に内緒でできるのに、そうしないなんて。

中学生の時、クラスの男子が、私のパンツを見てしまった、と謝ってきたことがある。
確かにハーパンをたまたま穿いてなかったから、移動教室への階段とかで見えたのだろう。
……ちょっと嬉しかった。
その時も「別に、いいよ」とか言ったと思う。

短大生になってもその気持ちは同じだが、
それだけじゃ、つまらない(?)

「ただ、私にもあなたの彼女の裸の写真を見せて」

私は、全裸で、リビングの床に体育座りのポーズをとっていた。

彼の自慢の彼女、リナさんのヌードはガラケーに一枚しかなかった。

当時のリナさんは高校3年生。

バージン最後の裸身として、決死の思いで残した写真だが、乳房の膨らみすらわからない、縮こまった
[1] 最後


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ