第三章 X《クロス》
輪郭
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その血文字を見て、ティアナとギンガが話し、そこに理樹が聞いてきた。
「どうやら、古代ベルカ文字みたいで・・・・専門家の知識が必要ですね」
「なんて内容だろう・・・え・・・と・・・『詩篇の六 かくして王の帰還はなされること無く、大いなる王と・・・・』長いね」
壁の血文字を見て、すらすらと読んでいく理樹。
その理樹に、ティアナとギンガは驚いていた。
「わ、わかるんですか!?」
「まあね、翼人っていうのは基本的に世界をめぐるものらしいから、僕ら言葉には強いんだ」
「あ、そういえばそんな話聞いたことが・・・・」
「う〜〜ん・・・「詩篇」ってことは何かからの引用かな?」
「でしょうね。でもいったい何の・・・・」
「それに、古代ベルカがらみだったら聖王教会にも連絡しないとですね」
鈴が飽きたといわんばかりに周囲をぶらぶらとみている間に、理樹とティアナとギンガは情報の収集と今後の動きを話し合う。
「連絡は僕がやっておくよ。えっと、写真写真・・・」
「あ、それなら私が撮ってます。クロスミラージュ、お願い」
《了解。そちらの端末に送っておきました》
「あ、どうもありがとう」
「理樹ーーーー」
と、そこで鈴が何かを見つけたようで、理樹を大声で呼んできた。
なんだなんだとそっちの方へ向かう三人。
「どうしたの?鈴」
「ん、これ」
理樹が聞くと、す、と鈴がコンクリートの床を指さした。
そこには消火した時の水が溜まっており、水たまりになっている。
おそらくは気にも留めるようなものではない窪みでもあるのだろう。
「これが?」
「水たまり」
「え、あ・・・そ、そうだけど・・・」
「ハァ・・・」
「え!?なんで!?なんで溜息!?」
「理樹はわかってない。床がボコボコたとコケるだろーが」
「ま、まあそうだけど・・・」
「この前小毬ちゃんもコケてた」
「小毬さんはなぁ・・・・」
と、そんな話をしている理樹と鈴の横で、反対にティアナとギンガは真剣な顔をしていた。
「ギンガさん、このビルって・・・」
「建ってすぐってわけじゃないけど、床がくぼむほど古いものじゃないわ」
「そうですよね・・・・クロスミラージュ」
《OK》
「ど、どうしたの?」
「鈴さんの言う通りよ。ビルの床がくぼんでるのはおかしい」
「え・・・と?」
「つまり、ここには何かいたのよ。マリアージュじゃない・・・いいえ、下手をすると人間じゃないものかもしれないわ」
「じゃあこれは何かの足跡で、重みで少しく
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