第三章 X《クロス》
害虫
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か!?
ディエンドがそう思いとっさに彼女を守ろうと背を向けた瞬間
「ガォルルルルルルル!!!!」
バザァッッ!!と茂みを押しのけて、アルルゥになついている白虎「ムックル」が飛び出してコックローチアンデットに剛腕を振るい爪で引き裂こうと襲い掛かった。
それをギリギリで回避したコックローチアンデットだが、ディエンドとアルルゥを守ろうとムックルがさらに咆哮を上げた。
コックローチアンデットはその声の振動に若干ながらも後退させられ、その隙にディエンドがカードを発動させる。
《ATTACK RIDE―――INVISIBLE!》
そしてムックルの姿ごと二人がその場から消え、コックローチアンデットが咄嗟に飛びかかってその腕が空を切った。
「チッ!!・・・逃げられたか・・・」
「ありがとう、白虎君」
「ヴォフ」
と、その戦闘の場から逃げ出した海東は変身を解き、疾走するムックルの背の上で腕を押さえていた。
(強かった・・・想像以上に。とりあえずこの子を保護者のもとに連れてって、それから「EARTH」に保護だ・・・)
「まったく、厄介なことになって来たね」
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「荷物はそれくらいでいいのか?」
「ええ。十分よ」
「ワン!!」
風都から少し離れた町。
そこに、翔太郎の依頼人である長岡ユキの自宅があった。
これから向かうということを承諾した翔太郎と共に、身の回りの荷物を持ってきたのだ。
持っているのは小さなポーチ。
そして、足元でヘッヘッ、と尻尾を振っている一匹の柴犬だ。
「この犬は?」
「私の番犬。一緒にいて、損にはならないわ」
そうして彼女が車に乗って目的地に向かい、その後を翔太郎がバイクでついていった。
二人の乗った車とバイクが、町を抜け、海岸線沿いの道路を走る。
と、そこで
『なあ、行くとこは聞いた。でもよ、なんでそこに行くんだ?化け物ってなんだよ?』
『あら、気になるの?』
『まあそりゃあな』
車の中の長岡と、バイクで追う翔太郎が通信機で会話をする。
その内容は、至極まともなものだ。
いったい何から守ればいいのかわからなければ、護衛のしようがない。
『そうね・・・・だけど、そんなこと話している場合かしら?』
『あん?』
『お客さんよ、ハードボイルドさん!!』
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