暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第三章 X《クロス》
害虫
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
か!?



ディエンドがそう思いとっさに彼女を守ろうと背を向けた瞬間



「ガォルルルルルルル!!!!」



バザァッッ!!と茂みを押しのけて、アルルゥになついている白虎「ムックル」が飛び出してコックローチアンデットに剛腕を振るい爪で引き裂こうと襲い掛かった。


それをギリギリで回避したコックローチアンデットだが、ディエンドとアルルゥを守ろうとムックルがさらに咆哮を上げた。
コックローチアンデットはその声の振動に若干ながらも後退させられ、その隙にディエンドがカードを発動させる。




《ATTACK RIDE―――INVISIBLE!》





そしてムックルの姿ごと二人がその場から消え、コックローチアンデットが咄嗟に飛びかかってその腕が空を切った。


「チッ!!・・・逃げられたか・・・」











「ありがとう、白虎君」

「ヴォフ」


と、その戦闘の場から逃げ出した海東は変身を解き、疾走するムックルの背の上で腕を押さえていた。


(強かった・・・想像以上に。とりあえずこの子を保護者のもとに連れてって、それから「EARTH」に保護だ・・・)


「まったく、厄介なことになって来たね」






------------------------------------------------------------




「荷物はそれくらいでいいのか?」

「ええ。十分よ」

「ワン!!」



風都から少し離れた町。
そこに、翔太郎の依頼人である長岡ユキの自宅があった。

これから向かうということを承諾した翔太郎と共に、身の回りの荷物を持ってきたのだ。

持っているのは小さなポーチ。
そして、足元でヘッヘッ、と尻尾を振っている一匹の柴犬だ。



「この犬は?」

「私の番犬。一緒にいて、損にはならないわ」




そうして彼女が車に乗って目的地に向かい、その後を翔太郎がバイクでついていった。






二人の乗った車とバイクが、町を抜け、海岸線沿いの道路を走る。

と、そこで

『なあ、行くとこは聞いた。でもよ、なんでそこに行くんだ?化け物ってなんだよ?』

『あら、気になるの?』

『まあそりゃあな』



車の中の長岡と、バイクで追う翔太郎が通信機で会話をする。

その内容は、至極まともなものだ。
いったい何から守ればいいのかわからなければ、護衛のしようがない。


『そうね・・・・だけど、そんなこと話している場合かしら?』

『あん?』

『お客さんよ、ハードボイルドさん!!』

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ