2話
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私も動きますか。街に出て、そこそこ大きな商家に今回の規定量だった兵糧の2割ほどの量を用意させて、それを持って3日後に軍を追わせる。それを守る傭兵も私の資産から出して用意する。これだけの量があれば不測の事態は免れるでしょう。
一週間後、案の定途中で兵糧が足りなかったのか荀ケが悔しそうな顔をしている。
「私が送ったのは役に立ったようで何よりです。とりあえずは貸しにでもしておきましょう」
「……どこまで予測していたのですか?」
荀ケが力なく問うてくる。
「何も。ただのリスクマネジメント、危機軽減運用とでも言いましょうか。兵糧なんて足りないより余るほうが良いんです。軍が通った後なので最低限の護衛だけでも十分でしたしね。余っていたら余っていたでそっくりそのまま私に返すか、戦勝祝として少し豪華な食事にして代金を私に払うか。どちらかをしていたでしょう?」
「ええっ、そうね。今回は不測の事態で足りなくなるところだったわ。代金は後で払うわ」
「不測の事態ですか。そちらの子ですか」
「私の親衛隊にするわ。最低限の知識を与えてあげてくれるかしら」
「構いませんよ。これでも教師をしていましたから。私は匙簪です。客人扱いの大賢者ですよ」
「許?って言います。大賢者?えっと、仙人様ですか?」
「ふふっ、仙人みたいに世を捨てたつもりは全くありませんよ。ですが、色々なことを知っていて、それを教えてあげれます。最低限の読み書き計算と簡単な兵法までは覚えてもらいますね。そのあとは、貴方が聞きたい、覚えたいということを教えてあげます」
「はい、よろしくお願いします、簪様」
「はい、よろしくね。ああ、それと私には出来るだけ真名を名乗らないでね。私の住んでいた国では、この国以上に真名が重いの。親の真名すら知らないのが普通なぐらいに重い重いもの。理由は曹操が知っているから、そっちに聞いてね」
「はい」
素直な良い子ね。だけど、武将ってことは強いみたいね。
「それで、荀ケをどうするつもりですか?」
「貴方から見てどう思う?」
「経験不足の一言ですね。ちゃんと下積みからさせていけば大成しますよ。能力的には。男嫌いをもう少しどうにかしないと要らぬ所で足を引っ掛けられて思い切り顔面強打で転ける可能性があります。公私はしっかりと分けさせて下さい。それが出来ないなら上には付けないほうが良いでしょう。勿体無いですが。まあ最終的な判断は曹操がすることです。ただ、何度も言いますが覇王は常に見られる存在です。それをお忘れなきように」
「身内びいきには気をつけろと言いたいのね。分かったわ、肝に銘じておきましょう」
「そうして下さい。それと私の家族が見つかりました。夫以外ですが、皆無事なようです」
「
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