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Muv-Luv Alternative 帝国近衛師団
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テナを叩きながら言う正仁、熱が少ないことを示す青ばかりが表示されるサーモグラフィーを改良することを決めた成仁、そんな二人に見学時間の終了が差し迫っていることを伝える中尉。
気のせいだったのか……?
と正仁が思い始めながらも作業を続けた。
「誰かいるか〜?」
いつものようにコンテナを叩くと
コンッ
と何かが落ちる音がした。
「成仁!こっちへ来てくれ!」
「どうしたの?」
「このコンテナの温度は?」
そう言われ成仁がサーモグラフィーをそのコンテナに当てると
「何か……他と比べると熱があるみたいだね」
「じゃあこの中にいるな。中尉殿、開けて頂いてもよろしいですか?」
「分かりました」
中尉が注意しながらゆっくりと扉を開け、中を覗くと……
缶詰が飛んできた。
「あふんっ!?」
軍人にしては情けない声を上げて倒れた中尉の代わりに、正仁が中を覗くと……
銀髪で明らかに日本人離れをした顔立ちを持った少年がいた。
そして目が合い、数十秒の沈黙の後、少年が口を開いた。
「水、持ってない?」
「あるよ」
リュックからペットボトルを取り出し、少年に渡した。
コンテナ群から波止場へ移動した正仁と成仁、そして銀髪の少年は日本海を見ていた。
中尉はこのことを智忠に伝えるためにこの場には居ない。
「ではまずは自己紹介から。俺は有栖川宮正仁、よろしく」
「僕は有栖川宮成仁、よろしくお願いします」
笑いながら自己紹介をした二人、銀髪の少年はペットボトルに入った水を飲み干すと、二人の顔を見た。
「変わった名字だな。日本じゃ佐藤とか斉藤とか田中とか鈴木とかが多いって聞いたんだけど?」
「日本語ペラペラだな」
「親父に教わったんだ。おっと、名前を言ってなかったな!オレはレグルス、レグルス・ヴォルフルムだ!よろしくな!」
レグルスも笑顔で日本語で自己紹介をした。日本人に違和感を感じさせない完璧な日本語だった。
「早速だが質問して良いか?」
「いいぞ」
レグルスの自己紹介が終わるとすぐに正仁は質問をした。
「何でコンテナの中に居たんだ?」
「なんと言えば良いんだろうな……」
そう言うとレグルスは腕を組んで考えた。二分ほどしてから答えを言った。
「ドイツから逃げてきた…て言うのが一番正しいかな?」
「逃げてきた……そうか、お前、難民なのか?」
「そうなるな。最初は親と一緒にダンケルクからイギリスへ逃げたんだけど、イギリスも危ないからアメリカに更に逃げた。でもそこで親とはぐれた。難民キャンプの飯は不味いし、治安も悪いし、英語喋れないし、オレまだ子供だから仕
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