暁 〜小説投稿サイト〜
巫女のホグワーツ入学記
決闘? バカが数人いたわね
[7/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初
っと避けてたんだ。君だって気がついただろ? 家族、なのに…」
「別に避けられている記憶もないけど、うーん、家族ね…私に家族はいない」

 家族なんて知らない。要らない。分からない。
 私は一人でも生きていける。幻想郷では、「異変」を解決して、好かれて、ワイワイ騒いで神社で宴会をしてーーそんなループの繰り返しだ。ただそれだけ。魔理沙も霖之助もレミリアも咲夜もさとりも紫も妖夢も幽々子も諏訪子もーー私に懐いている皆は、本当に私にとって必要なのだろうか。
 私の言葉を聞いたロンは、悲しい表情を浮かべ、その後言葉を口にする事なく別れた。

 翌朝、私がドラコ達とご朝食を食べていると、彼は機嫌が良いようでこんな事を話し始めた。

「今晩、ポッター達と決闘をする約束をした」
「今のホグワーツは決闘ブームなの?」

 私がパーキソンをぼっこぼっこのぼこの助にしてから、何故だかホグワーツでは決闘が流行り始めたそうな。休み時間になると湖近くや中庭に行き、自分の知る限りの呪文を使って相手をノックダウンさせるのが楽しいとの事だ。図書館は攻撃系魔法の本が全て貸し出されているので、独学するしかない。弾幕をどうにか魔法のようにしてみたいが、何処か誰にも邪魔されない良い場所はないだろうか。

「それで、由緒正しき家系の息子は、夜ホグワーツを出歩くという校則違反を犯すのー?」
「いや。そんな事するわけがない。見す見すポッターとの約束を守ると思うかい?」
「ないわね。相変わらず嫌な奴」
「あいつ等に言うのかい?」
「残念ながら、私はそこまでの善人じゃないわ。面倒くさいし。昼寝している方が有意義ね」

 私は欠伸混じりに言う。隣のクラッブとゴイルはいつも甘いものばかり食べているけど、健康に大丈夫なのかしらね。私も神社ではお茶とお茶菓子ばかり飲んでいたから、人の事は言えないけどね。
 いつも彼等は話さない。否、話を振っても唸るだけ。喋る事ができるのは確かなのに、何故だろうか。マルフォイは確かに由緒ある家系だが、彼の前では言葉を口にしてはいけないという決まりでもあるのだろうか。
 試しにこんな話を振ってみる。

「そうだわ、今度魔法でお菓子でも作ってみようと思うのだけど、クラッブとゴイルは何が好きなのかしら?」
「僕には聞かないのかい?」
「アンタは雑食でしょ。適当な詰め合わせでも作ってあげるわ。私はそれよりも、いつもアンタのパシリになってる2人に作るわよ」
「別にパシリには…してるか。ごめん2人共。もうパシリにはしないから霊夢、僕にもお菓子を作ってくれよ」
「随分と必死ね。冗談よ。アンタにも作るわ。…テキトウニ」
「最後に何か言っただろ…」

 ドラコは諦めの表情を浮かべ、トーストに赤いジャムを塗りたくり、かじりついた。あ、そのジャムは
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ