決闘? バカが数人いたわね
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なんて、空を飛ぶ程度の能力を持っている私にとって不要なモノだ。
そして、案外早く一週間は終わった。昼休みになると、私はパンジーとその取り巻きに連れられ、湖のほとりまできた。そこにはドラコ達も含め、多くのスリザリン生が待機していた。
9月中旬の風はもう冷たくなっていたが、湖の水は生温かった。聞いた話だと、湖には大イカや水中人がいるらしい。
「さぁ、始めましょうかパンジー」
「気安くファーストネームで呼ばないで。…そうね、始めようか」
この頃幻想郷で「異変」が起きなかったので、もしかすると体が鈍っているかもしれない。
私は大幣を取り出し、小さく息をついた。大幣を見たパンジーは私を嘲笑う。
「一体、そんな紙切れで何をするっていうのよ」
「残念。これ紙切れじゃないのよ」
大幣は、巫女の持つ道具の一つ。人はこれで自らの汚れを落とすとされている。私は基本、弾幕を大幣から出している。故にこれ自体にも強い霊力が宿っているのだ。私は、自分の杖と大幣を重ねて構えた。これで、霊力と魔法力が重なり、より強力な魔法が使える。既に実践済みだ。
「ドラコぉ〜、合図をしてくれなぁ〜い?」
「ハイハイ…」
パンジーも私と同じく杖を構えた。ドラコはパンジーに呆れを抱きつつも、とりあえず審判を始める。
「ハーイ、じゃあ始めるよー」
「何でそんなやる気なさげなのよ…」
「杖を構えて…3、にーー」
「『ペトリフィカス・トタルス 石化せよ』!」
パンジーはドラコの言葉を聞いていなかったが、数字を完全に無視して呪文を打ってきた。しかしだまし討ちは想定内なので、私は小さくため息をついてそれを避ける。周りにとっては一瞬で出来事だろうが、私はただ横に動いただけだ。
「…それだけ?」
「ッ…」
「結構強気だったから、期待したんだけどー…」
「『デンソージオ 歯呪い』!」
「ん?」
パンジーを隙をついたつもりだったのだろうか。私に向かって呪いを放ってきた。しかし杖の一振りでそれを防ぎ、おまけに跳ね返してパンジーにかかった。彼女の前歯はみるみるうちに伸びていって、やがては喉まで届いてしまった。醜い姿をドラコに見せたくないようで、杖を取り落として自分の歯を隠した。
「ドラコ、決闘はどうやったら勝ちなのかしら?」
「えっ…相手をノックアウトさせたりとか?」
「あっそう。『ステューピーファイ 失神せよ』」
私が放った魔法はパンジーに激突し、失神させると同時に、彼女を湖の方へと投げ飛ばしてしまった。皆あまりに一瞬の出来事で固まってしまった。パンジーの立っていた芝生の上には、彼女の杖だけが虚しく転がっていた。
「げッ…」
私は湖の淵まで走って行って、混乱し慌てて湖の中を探して
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