組み分け? どうでも良い
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に入ったら、頭のキレの悪い者がレイブンクローに入ったら、挑戦を恐れ自分の意見を持つ事ができない者がスリザリンに入ったら、人を慈しむ心のない者がハッフルパフに入ったら!! ホグワーツで過ごす意味が皆無となる。
人は誰しも、頭と心の奥底に、誰もが羨むそれぞれの才能が眠らせている。それを見つけ出して相応しい寮へと送り出すのが私、『組み分け帽子』の役目だ。寮は、決して意味のないものではない。その隠された才能を開花するための、重要な場所なのだ!!」
皆突如として叫んだ組み分け帽子に驚きの表情を浮かべた。彼は落ち着きを取り戻し、ゆっくりと私にしか聞こえない声で再び話し始めた。
「君には、人でも生物でも、何でも惹きつける力があるね。でも、君は実質それを仲間だとは思っていない」
「友人とは思っているわ」
「その点は、スリザリンに相応しいだろう。しかしどうだろうか。それと同時に、誰かを助けるのが自分の役目だと思っているし、何事も恐れる事などない。グリフィンドールにも相応しい」
確かに私は幻想郷の立場上は「異変」を解決し、人を助けなければならない。が、別に自負しているわけでもないし、私が何かを恐れる事がないのは、私が巫女だからだ。それは博麗の者として必然なのだろう。
「おや、自負していないと? そんなまさかぁ〜」
「ウザい」
「正直だな…君はまだ、自分がどのような道を進むかを決めていない。しかし、今決めるべき事ではない。そうだろう? 自分の選ぶ道にとって、自分の寮はただの壁にしか過ぎない。壁が嫌ならただ蹴破れば良いだけの話だ。私は、君の人生を決めるにはあまりにも小さな存在だ。故に今は、君に相応しい寮の名を伝えるとしよう」
私は心なしか、それなりにワクワクしていた。
「…スリザリン!!」
組み分けの言葉は永遠として天井に響き渡った。頭の奥深くに刻まれるような拍手が私を包みこむ。あまりに一瞬な事で、私は少しだけ考える事を止めてしまった。ただ無意識に帽子を脱ぎ、スリザリンのテーブルに歩いて行く。ただそれだけだった。
轟然は瞬く間に消え去り、次の組み分けが始まった。それも束の間、グリフィンドールのテーブルから失望の声が聞こえてきた。フレジョやパーシーは、スリザリンにつく私を見ながら悲しそうな顔でいた。
「ようこそ、スリザリンへ」
数名が私に笑いかけたが、私は素っ気なく返しただけだった。純血主義に興味はないので、スリザリンの人間とはあまりソリが合わなさそうである。
その後、ドラコ、クラッブ、ゴイル等がスリザリンのテーブルにやってきた。
「やぁ霊夢、君はきっとスリザリンだと思っていたよ」
「えぇそうね。正直、何処でも良かったんだけど」
「まぁ、そうかもな。あんなに組み分けに時間がかかるなんて…」
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