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巫女のホグワーツ入学記
組み分け? どうでも良い
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制服を着用していればオーケーというものなので、リボンを取れと言われる事はないだろう。

 冷たい地上が分厚い闇に閉ざされ、朱を散らした汽車は綿を翼に変えた。目指すのはホグワーツ。汽車が黒を切り裂き、煙たい白で染めた。真珠のような光が、向こう側にいくつも見える。人里離れた魔法の世界で、私は何を学び、何を思うのだろう。
 ただ今は、目を閉じて描こう。美しい壮大な景色を。

 *

 汽車が止まった。黒染めの生徒達はざわめきだけを残し、次々と外へ飛び出していく。私はドラコの後に続いて、汽車を降りた。同じ服装ばかりで誰が誰だか分からないようにも見えるが、ロンの赤毛は健在していた。
 暗闇の中で燃え盛る炎は何よりも目立つ。私は人をかき分けて、ロンの所までやってきた。誰かと隣り合わせに話している様子で、私は後ろから肩を叩く

「ロン、私よ私」
「え、ワタシワタシ詐欺? ごめん、お金持ってないんだよなぁ」
「電話越しじゃないでしょうに」
「ごめんごめん」

 ロンは謝りつつも、笑いながら振り返る。ふと彼の話ていた相手を見ると、あの「ハリー・ポッター」だった。丸眼鏡にエメラルド色の瞳、真っ黒な髪の下に隠れた稲妻型の傷跡は、やっぱり彼だ。

「ハリー、彼女は霊夢だよ。博麗霊夢。ええっと…苗字が博麗で、名前が霊夢だよね」
「そう」
「僕はハリーだよ、ハリー・ポッター」
「やっぱりね。まぁ宜しく」

 この物語の最重要人物が此処に2名。ガイドブック曰く、後もう1人いるはずだ。
 マグル生まれの栗毛の少女、成績優秀でハリーとロンをサポートする側にあたるもう1人の親友。名前は何だっけ? 今の所は、実際の物語通りに進んでいるのだろう。ただ私が割り込んできたというだけで。

 その後、案内人であろう髭もじゃの大男に続いて、新入生は9と4分の3番線の終着点である「ホグズミード駅」を降り、そのまま進んだ。
 そこには大きな湖が広がっており、私達は3人乗りのボートに乗り込む。
 漕がずとも勝手に水の上を滑るボートの下では、大きな力強い生命が絶えず行き来していた。

 やがて橋が見え、壮大な城が見えてきた。
 紅魔館なんて鼻で笑ってしまうほど、大きな美しい城だ。

 湖面には城と月が映りこみ、揺れ刹那に消えていった。
 薄雲が割れ、饅頭の惑星が顔を覗かせた。
 厭世になんてならないほどの、素晴らしい景色だ。

 私は幻想郷とはまた違った光景に、目を奪われてしまっていた。
 途端に、自分のいた世界が狭かった事を感じる。

 ボートを降りて、城の中へ足を踏み入れた。大男は去って行ったが、やがて威厳のありそうな女性の魔女がやってきた。
 四角い眼鏡を押し上げ、”今から大広間にて「組み分けの儀式」を始める、自分は副校長のミネ
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