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巫女のホグワーツ入学記
組み分け? どうでも良い
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るらしいが、正直私は何処でも良い。
 一人でも生きていける。友人など作らなくても、とりあえず寝泊りする場所さえあれば良い。

 ホグワーツ生は何方かといえば、三人程のグループで行動すると聞いたが、特に一緒にいる意味もないだろう。
 寮を選べと言われたら、ロンやフレジョと同じ所を私は選ぶと思う。その方が、隠れ穴に戻る時も楽だろうし、知り合いと一緒の方が楽しいに違いない。異変解決の度に集まる妖怪達だって、毎度毎度博麗神社で酒を飲むが、迷惑と言いつつも私だって楽しんでいる。

 幻想郷が特に愛おしいとは思わない。たくさんの妖怪やら人間やらに囲まれてはいるが、私は結界を維持するだけの巫女。
 このまま帰らずとも良いかもしれない。どうせ時間は止まっているし。永遠のループを繰り返したってーー

「霊夢、おい霊夢! 聞いているのか?」
「…何? 考え事をしてたんだけど」
「ちゃんと聞け。折角話してやっているというのに…」
「で、何の話だっけ?」

 ため息を漏らしつつ私は隣のドラコをジロリと見る。

「魔法界にあまり接点がなかったお前に、僕が詳しい事を教えてやってるんだ。それも覚えてないのか?」
「私、3歩歩くと忘れるタイプだから」
「1歩も動いてないよな?!」

 ドラコの言葉を聞き流しつつ、私は外の景色に目を向けた。
 日が落ち、空が真っ赤に染まっている。月の姿も見えてきた。そろそろホグワーツへ到着するはずだ、とドラコが言う。
 私はコンパーメントの外に出て、ドラコ達の着替えを待つ。その間、私は辺りを見回した。私と同じく、着替えのため締め出されている生徒が見られた。純血社会は狭く、顔見知りも多いようなので、彼等は知り合いを見つけて駄弁っていた。

『ねぇねぇ、それでアルがねぇ〜』『純血主義というもんは…』『ハリー・ポッターが今年入学らしいよ』『え、何処のコンパーメント?』
「ハリー・ポッター…やっぱりあの眼鏡が、なのかしら」

 そういえば、ロンやフレジョなどは見かけなかった。きっと別の車両にいるのだろう。
 探されている様子もないので、こちらとしては万々歳だ。できれば一人が良い。

 その後、ドラコ達を締め出して私も着替えを始めた。巫女服の紐を解きつつ思う。
 もうこの巫女服とはお別れをしなければならないという事が、何だか寂しかった。
 肌身離さずいつでも身につけていた巫女服が、この肌触りが、恋しくなりそうだ。私は巫女服をたたみ、制服のローブに着替えた。スペルカードと陰陽玉をローブの方へとしまいこむ。慣れない不思議な服装に、私は大きな違和感を覚えた。

「リボンだけは、ずっとつけていよう」

 頭の上にある大きな赤いリボンは、せめてもの巫女の名残として。
 ホグワーツの校則では、服装に関しては
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