魔法使い? 私は博麗の巫女よ
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界へと、足を踏み入れていた。
目を開けると、私は森の中にいた。幻想郷でもよく見かける鬱蒼とした手入れのあまりなされていない森だった。上を見上げると赤い光が差し込んでいた。もう夕方になっているのだろうか。若干の暑さはあったが、巫女服は涼しい作りになっているのであまり熱は篭らない。大幣を指で回しながら、私は地面に落ちている紫色の表紙の薄い本を拾った。
「これがパチュリーの言っていた『ガイドブック』って奴かしら?」
私は近くの切り株に腰掛けると、ガイドブックを読み始めた。中には、この物語のたくさんの情報…というわけでもなく、大方のあらすじや言葉の説明が書かれていた。
読んでみると、どうやらハリー・ポッターのあらすじとしては、主人公のハリー・ポッターが仲間と共にヴォルデモート卿という闇の魔法使いに立ち向かっていくファンタジー物語という事だ。そして、この世界には魔法というものがあり、11歳までに魔法を行使する事ができた少年少女には、イギリスの北部に位置する「ホグワーツ魔法魔術学校」に入学できるという。
魔法は私もある程度は使えるだろうが、巫女故に魔力よりも霊力の方が強いだろう。魔理沙やアリス、パチュリーが使っていた魔法を思い出そうとするも、彼女等のユニークさの方が勝り、思い出す事ができなかった。
ガイドブックに載っていた魔法界特有の単語と言えば、マグルだとか、純血だとか、闇の魔法だとか、純血主義だとか、魔法省だとかーー詳しく説明があったが、物語的に先ほど述べたあらすじ以上の情報を得る事ができなかった。
ガイドブックを読み終わると、それは大きな音を立てて燃え始めた。
「パチュリー…覚えてないわよあんな膨大な情報…ったく、それにしても、楽しんでるんじゃないのあの紫魔女。親切過ぎるわ。新しい魔術の実験? さて…まずは寝床を探さなくてちゃね」
そらから私は雲と同じくらいの高さまで飛び上がり、空中探索を始めた。下界を眺めつつ、手頃な場所を探そうとも思ったが、この世界でいう魔女や魔法使いの家にお邪魔した方が良いと思う。多くの情報を手に入れる事ができるだろうし、物語上立場としては楽になるかもしれない。
場所を探しつつ、私は自分のこの世界での設定を考える。
博麗霊夢、博麗神社の巫女…では通じるかどうか分からない。とりあえず、別の遠くの国の魔女だとでも言っておこうか。しかし、それでは国の名前を聞かれてしまう。身を置くためには、それなりの身の上話も必要かもしれない。同情を誘った方が助けてもらえやすいだろうが、あまり多くの設定をつけすぎると矛盾点が目立ってしまう…さて、どうしたものか。
気がつけば、すっかり夜になってしまっていた。満月が太陽の代わりに輝き、星々は笑顔を振りまいている。このまま飛び続けても良いかもしれ
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