暁 〜小説投稿サイト〜
Sword Art Rider-Awakening Clock Up
アルンへの旅路
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のことをパパって呼ぶの?もしかして、その……彼がそういう設定したの?」

「……パパは、わたしを助けてくれたんです。俺の子供だ、ってそう言ってくれたんです。だからパパです」

「そ、そう……」

やはりどうにも事情が飲み込めない。

「……パパのこと、好きなの?」

リーファが何気なく訊ねると、ユイは不意に真剣な表情でまっすぐ見つめ返してきた。

「リーファさん……好きって、どういうことなんでしょう?」

「ど、どうって……」

思わず口籠もる。しばらく考えてから、ぽつりと考えた。

「……いつでも一緒にいたい。一緒にいるとドキドキワクワクする、そんな感じかな……」

脳裏に和人(かずと)の笑顔が(よぎ)り__なぜそれが、すぐ隣で瞼を閉じて俯くアバターの横顔と重なって、リーファはハッと息を呑んだ。心の奥底に隠した和人への思慕(しぼ)とよく似たものをいつの間にかキリトにも感じてしまっているような、そんな気がして、思わず頭をブンブンと振る。それを見たユイが、怪訝そうな顔で首を傾げる。

「どうしたんですか、リーファさん?」

「なななんでもない!」

つい大声で叫んだ。その途端__

「何がなんでもないって?」

「わっ!!」

いきなりキリトが顔を上げて、リーファは文字通り飛び上がった。

「ただいま。……何かあったの?」

激しく動揺するリーファにキョトンとした顔を向けながら、キリトは待機姿勢から起立した。するとその肩に乗ったままのユイが口を開く。

「お帰りなさい、パパ。今、リーファさんとお話をしてました。人を好き__」

「わあ!なんでもないんだったら!!」

慌ててその言葉を遮りながらリーファも立つ。

「ず、随分速かったね。ごはんとか大丈夫なの?」

照れ隠しに訊くと、キリトは笑って頷いた。

「うん、家族が作り置きしといてくれたから」

「そう、じゃあさっさと出発しましょう。遅くなる前に鉱山都市まで辿り着けないと、ログアウトに苦労するから」

早口で捲し立てると、キリトとユイは揃って首を傾げた。それに構わず翅を広げ、軽く震わせる。

「ネザー、行くぞ」

キリトは、未だに辺りを見張っていたネザーに呼び掛ける。するとネザーは、冷ややかな目線と共に振り向く。

「行くのはいいが……今まで以上に注意したほうがいいぞ」

腑に落ちない顔で今まで飛んできた森の方に顔を向けた。

「何かあったのか?」

「さっきからずっと、誰かの視線を感じていた。近くにプレイヤーが潜んでいるかもしれない」

キリトは肩に乗る小妖精に訊ねる。

「ユイ、近くにプレイヤーはいるか?」

「いいえ、反応はありません」

ピクシーは小さな頭
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