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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
新たな冒険
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エギルが先ほどの気遣わしげな顔で言う。

「俺も、自分の眼で確かめておきたいことができた。それに一応、キリトには74層での借りがあるからな。今回の件でそれをチャラにしてもらう」

無愛想に言うが、その言葉を聞いたキリトが微笑みながら顔を向ける。

「相変わらず素直じゃないな、ネザー」

最後辺りでニッと笑ったキリト。

「死んでもいいゲームなんてヌルすぎるぜ。……ゲーム機を買わないとな」

「ナーブギアで動くぞ。アミュスフィアは、ナーブギアのセキュリティー強化版でしかないからな」

「そりゃ助かる」

肩を(すく)めるキリトに、今度はエギルがにやりと頬を動かした。

「ま、もう一度アレを被る度胸があればの話だけどな」

「どうってことねえよ」

自慢気に言うキリトだったが、一方の俺は2人の頭の中に存在するある記憶を気にしていた。

「………」

だがそれを口に出すことはなかった。

俺は残りのコーヒーを全て飲み干し、ポケットからコインを取り出してカウンターにパチリと置き、席から立ち上がる。

「俺は帰る。じゃあな」

「おい、ちょっと待て」

突然エギルに呼び止められ、悪い予感が的中した、と思いながら顔をわずかに振り向けた。

「実は俺、調べたんだよ。……《赤いスピードスター》に関する情報をな」

エギルが真剣な眼差しで俺を見つめる中、キリトも後につられるように眼差しを向けてきた。

「SNSやブログ記事に記述されてたんだが、世界中のあちこちで猛スピードで動く鎧の戦士の目撃情報があった。そいつらが見たことのない怪物と戦っていて、しかも1人だけじゃなく、閃光のように速く動ける鎧の戦士は他にもいたそうだ」

そこまでエギルが話したところで俺が口を挟んだ。

「俺は英雄でもなんでもない。単なる噂の産物に過ぎない」

俺の行為が誰かを救うという結果を生んでも、俺は自分をヒーローとは思っていない。カブトでも__正せない過ちはある。

すると、キリトが気を楽にしようと、言った。

「……まだ俺達は、お前のことが理解できないけど……お前が何者であろうと、俺達にとってお前は、SAOをクリアした救世主だ」

「……救世主?」

その最後の一言が、俺を戸惑わせた。

救世主__そんなことを言われたのは初めてだった。その戸惑いを吹っ飛ばすように、エギルの声が店全体に響いた。

「ネザー、お前は間違いなくヒーローだ。だから必ずアスナを助け出せよ。いつかここでオフ会をやるから、お前も是非(ぜひ)来い!」

「………」

この場から逃げ出すように再び振り向いてドアを押し開け、店を出て行った。











自宅の部屋に戻っ
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