144部分:第十三話 暖かい風その三
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の言葉を聞いてすっと落ち着いた笑みを浮かべてみせたのがその証拠である。
「御前ならばそう言うと思っていた」
「俺ならばか」
「御前は確かに傭兵だ」
このことは否定できない事実であった。
「しかしだ」
「しかし?」
「無闇に血を好む男でもない」
壬生は既に武蔵のこうした性格を見抜いていたのであった。今それを彼に言うのだった。
「違うか」
「そう思うのなら思えばいい」
肯定も否定もしない様子であった。
「御前がそう思いたいのならばな」
「そうか。ではそうさせてもらう」
「好きにしろ」
「しかし武蔵よ」
背を向けてその場を去ろうとした彼の背中に対して声をかける。
「御前は本来は戦いたくはないな」
「俺は傭兵だと言った筈だが」
あくまで本心を隠す武蔵であった。
「それでもだ。傭兵だからといって必ず戦いを好むとは限るまい」
「傭兵が為すことはわかっている」
「そうであってもだ」
壬生の言葉は続く。
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