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風魔の小次郎 風魔血風録
143部分:第十三話 暖かい風その二
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 また語る。
「このことを誰にも告げられずに今はこうして」
「もう・・・・・・無理なんでしょうか」
「・・・・・・・・・」 
 今度は看護婦の言葉に対して首を横に振るだけだった。もうそれしかできなかった。絵里奈の命の炎が今消えようとしていたのであった。
 武蔵の技と小次郎の技がぶつかり合った。それにより双方吹き飛び合う。だがそれでも二人は起き上がる。まだ闘えたのである。
「まだだ・・・・・・」
 起き上がった小次郎は明らかにダメージを受けていた。制服の所々が破れ血が滲んでいる。しかしそれでも立ち上がったのである。
「まだやれるぞ俺は」
「俺もだ」 
 そして武蔵も。彼もまたあちこちから血を滲ませていたがそれでもだった。立ち上がってみせたのである。
「敗れるわけには・・・・・・何があっても」
「手前、どうしてそこまで」
 小次郎はここで武蔵の飽くなき闘いへの執念に気付くのだった。
「闘いにこだわる、どうしてなんだ」
「貴様に言うつもりはない」
 こうは答える。しかしであった。ここで彼の過去のことが走馬灯の様に思い浮かぶのだった。
 かつて普通に学校に通っていた頃だった。廊下を歩く武蔵にクラスメイト達が教室の窓から罵るのだった。
「おい化け物!」
「御前何でここにいるんだよ!」
「この学校から出て行けよ!」
「・・・・・・・・・」
 罵られ彼等に目をやる。その目は無意識のうちに黄金色に輝いている。その目を見て彼等はさらに言うのであった。

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