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Muv-Luv Alternative 帝国近衛師団
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ないと言えば仕方がない事です」
二人の表情は話をしていくにつれて厳しいものへと変わっていった。
そんな時に元気な鳴き声が聞こえてきた。
「ふんっ!」
「いってぇぇぇ!?」
聞こえると同時に隆仁は智忠の足の甲を全力で踏みつけ、怯んだ隙に勢い良く一枚目の襖を開けて最初の部屋に入っていき、智忠は、痛みを抑えきれず転げ回っているが、博恭と載仁は気にすることなく、ほっとした表情になった。
「声を聞く限り元気な子供のようですね」
「ええ、無事に生まれて何よりです」
「では、我々も見に行きましょうか」
「そうですな、智忠!さっさと立て!」
載仁は、おしめやガラガラなどの子育て道具を入れている紙袋を持ちながら、隆仁が開け放って行った部屋に入っていき、博恭もそれに続く。智忠は、博恭に怒鳴られ、未だに残る足の痛みに耐えながら二人の後を追った。
「愛子!無事か!?」
八枚目の襖を勢いよく開けた隆仁が目にしたのは、まだ生まれて間もない赤子を優しく抱く妻の姿があった。
「わたしは無事ですよ、もちろんこの子も」
産後の疲労を感じさせない優しい笑みを浮かべながら愛子は答え、よろよろとおぼつかない足取りで隆仁は近づき、幼き初めての我が子の顔を見た。すやすやと安らかな寝息を立て寝ていた。
なんと可愛い顔をしているのだろうか!
そう思いながら、隆仁は愛子に一つ質問した。
「こ、この子は……男か?それとも女か?」
「男の子ですよ」
「そ、そうか」
ホッと息をついた隆仁は改めて、自分の息子の顔を見た。そして優しく抱いた。
小さい……とても小さい。だがとても暖かい……。
「そうだ私はお前の父親の有栖川宮隆仁だ。よろしく。……………
正仁
(
まさひと
)
…………有栖川宮正仁」
「正仁ですか……良い名です」
「正しい行いをする、出来る人に育ってほしい。そういう意味がこもっている」
赤子は正仁と名付けられ、新しい家族を歓迎した。
そして入るタイミングを部屋の外で見計らっていた三人が入ってきた。
「愛子さん、おめでとうございます。これはつまらぬ物ですが使ってください」
「載仁様、ありがとうございます。ありがたく使わせていただきます」
「お疲れ様です。そしておめでとうございます。愛子殿」
「おめでとうございます!愛子さん!」
「博恭様も智忠様もわざわざありがとうございます」
三人から紙袋と祝福と労いの言葉を愛子は受けた。そして三人も正仁の顔を覗き見た。
「めんこい顔をしておりますね〜。正仁君こんばんわ」
「愛子殿の目にそっくりだな」
「俺の予想だと、この子は確実にイケメンになる!間違いない!」
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