第三章 X《クロス》
根幹
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、いたってげんきなたちばなをみて、一同がほっとする。
だが、こうしているのも惜しいほどに、彼等には知りたいことがあった。
「橘さん、聞きたいことがあります」
「ああ、アンデットのことだろ?その話をするためにみんなに来てもらった」
そうして、橘が口を開く。
ことはつい一か月前にまでさかのぼる。
「EARTH」でアンデットに関する研究をしていた橘のもとに、一本の電話が匿名でかかってきたのだ。
その内容は、海岸近くの山奥、その洞窟に、意味不明な、そして大きな石板がある、というものだった。
その電話自体は橘がもっと詳しく聞こうとする前に、石版の場所を伝えただけで切れてしまったが、確かめてみるには十分な内容だった。
今考えてみれば、なぜ「EARTH」のほうではなく、この橘の部屋に直接かかって来たのかを考えると違和感があるのだが、この時は特に気づかず橘はその場所に向かった。
なにぶん、匿名からの電話だし、内容もあいまいな情報なので、特に重くも受け止めず一人で。
しかし洞窟に入りその石板にたどり着いて、橘は思い直した。
「デカい・・・・・」
その石板は、もはや「板」というよりも、「壁」と言った方が的確であるほどに巨大なものだった。
そしてそこには、確かにアンデットの紋章があった。
その石板をカシャカシャと写真に収めていく橘だが、
「ふむ・・・これは確かに・・・む?」
と、ここで彼は電話の違和感に気づいた。
確か、電話では一切アンデットのことを言ってはいなかった。
ではなぜ自分のところに電話が来たのか。
自分のところにそう言った案件の電話が来たために、錯覚してしまっていた。
周りを見らたそうとし、石版に背を当てる。
そして直後、彼は後悔した。もっと大人数で来るべきだった、と。
『ニンゲン・・・』
『ニンゲンノタマシイ・・・』
『人間?』
『魂だ!!何万年ぶりかの!!』
『外・・・そうだ・・ここには外がある!!』
『食え!喰え!!』
『魂を食らえ!!』
「な!?」
ゴポッ・・・ゴボゴボゴボゴボッッ!!!
そして突如、石版の中から黒い水があふれ出してきて一面を覆った。
その水は洞窟内の地面を全て覆うと、さらに壁を這いあがって全方位を水で覆いつくしていき・・・
「こ・・・これは・・・まさか・・・!?」
それを見、橘は急いで洞窟の外に出た。
後ろをちらりと振り返ると、水から湧き上がるかのように次々と化
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