第三章 X《クロス》
予兆
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なんて報告するつもりなんですか?」
そのメンバーは、理樹と上条とエリオだ。
「彼」がいなくなって、それからそろそろ一年だ。
あの事件から一年が経って、彼らは「彼」に報告をするという計画を立てていた。
彼ら、というのは勿論この三人だけではなく「EARTH」メンバーでだ。
どこで声をかけるか、というのはあの十五天帝・青龍の突き刺さっている場所で。
しかし、誰が声をかけるかが決まっていない。
「いや、ここは理樹か一刀じゃねえの?」
「僕としてはクラウドさんがいいんだけど・・・・」
「でも断られてしまったんですよね?」
「内容はどうするんだ?」
「『何もなかったです』・・・じゃない?」
「まあ確かにそうだけど・・・ねぇ?」
そんなことを話しながら、彼らの手が進んでいく。
今日の飯もうまい。
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とある世界
炎が、周囲を覆っている。
「――――は―――――ですか?」
「あ?・・・・え・・・・し、知らない!!俺は何も・・・・!!!」
炎の中に映るシルエットは、長身の女性と、へたり込んだ男性のものだ。
そして、前者が質問し、後者がおびえ震えていた。
しかし、それでも質問に答えた男性の言葉を聞いて、女性のほうは特にがっかりすることもなく、機械的に言葉を発した。
「では・・・あなたは――――――です」
「ひ・・・ひぃぃいいいいいい!!た、助けてくれ!!助けてくれ!!!」
炎の中で女性の声はよく聞こえなかったが、この男性にははっきり聞こえたようだ。
質問し、その手に握った剣を振り上げる長身の女性に怯え、質問された男が四つん這いになって逃げだす。
しかし炎は周囲を覆っていて、逃げ道はない。
逃げられるとしても、死を覚悟してこの炎を突破しなければならない。
と、そこに何か動く影を見た。
そのシルエットは、自分を襲おうと背後に迫っているそれとは違う。
「た・・・助かった・・・・お、おい!!聞こえてたら助けてくれ!!!こ、こいつを・・・え?」
炎が踊り、そのシルエットが明らかにされ、瞬間
その姿を見て、一瞬ほころんだ顔が最初よりも恐怖に染まった。
それは、瞳に映ったその姿が、異形のモノであるからであろう。
「な・・なんだよ!!なんなんだよ!!てめえなんなんだぁアアアアアアア!?」
ドンドンドン!!!
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