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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜風雪の忍と光の戦士〜
第十話 激突 ―エンゲージ―
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たり……普通と言えるこの方が少ないのではないだろうか。
このことを疾風達は知る由もないわけだが……そもそもデュエル中だというのに緊張感のないことこの上ない。まぁ視点を変えれば、強者の余裕と言えなくもないのかもしれないが。
「……まあそういうことにしておきましょう。あのお二人もそろそろ準備が終わった頃でしょうから」
「相変わらずマイペースな奴だな……まぁいい」
一方的に会話を切ったシュテルにショウは深いため息を吐くが、彼女の言うようにそろそろ対戦相手の二人が動き始める頃だろう。それを理解しているだけに、いつまでものんびりとしているわけにもいかない。そんな時、シュテルはふと思い出したように口を開いた。
「……そういえば、どことなく似ていますね。海鳴の彼女たちに……」
「ん? まぁ……バリアジャケットも白と黒だしな」
思い当たる者がいたようで、あまり時間を空けずにショウは同意した。シュテルの言った“彼女たち”にすぐ心当たりが浮かぶあたり、彼の中での“彼女たち”なる人物たちはそこそこ大きな存在なのだろう。それだけにまたシュテルから突かれるかと思ったが、シュテルの表情を見る限り茶目っ気は身を潜めていた。
「偶然なのですが……ブレイブデュエルは面白い縁を運んでくれます」
そう言うシュテルの口元は綻んでいる。まぁその気持ちもわからなくはないな、とショウもつられて少しだけ笑った。
ロケテストからブレイブデュエルをプレイしている二人にとって、もはや全力を尽くしての敗北という言葉はほぼ縁がないものと言ってもいい。すぐ傍に全力を尽くせる相手が居ても、さらに高みへと昇ってからの再戦を願っているだけに剣を交えようとしていないのだから。
加えてゲームにおいて強いプレイヤーというものはゲームがある程度進むと必然的に固定されていってしまうので、決まったメンバーでプレイすることも多くなっていく。つまり対戦相手に顔見知りが増えていくため、マンネリ化とまではいかないが、新鮮味を感じることは少なくなっていくのだ。強いが故の悩みの一つである。
その点今回のデュエルは新鮮さがある。今自分たちが相手にしているタッグが予想以上の力量を持っていたのも理由ではあるのかもしれないが、もしかしたらお互いが背中を預けて戦っていることも理由かもしれない。心の内に差はあれど、少なくとも海鳴市から来た甲斐はあったと互いに思っていることだろう。
「……来たみたいだな」
姿を隠していた疾風と紗那がビルの向こうから現れる。すぐに仕掛けてくるかと思ったが、飛翔してきた二人はただそのまま飛び続け、堂々と姿を晒して少し距離を置いた場所で静止した。
「作戦会議は終わりましたか?」
「まぁな。君たちほどの実力者に挑むんだ、さすがに
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