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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜風雪の忍と光の戦士〜
第十話 激突 ―エンゲージ―
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リーン”、つまり煙幕である。
(これで、疾風が合流してきてくれればいいんだけど……)
「紗那!」
策を口頭で伝えれば当然相手の二人にもスキルを使うことが漏れる。そのため疾風にも伝えずスキルを使ったのだが、正直なところ合流できるかは五分五分と思っていた。しかしどうやら杞憂だったようで疾風は難なく紗那と合流してきたので、紗那はホッとした。
「助かった、離脱するぞ!」
「うん!」
煙幕に乗じてその場を離れ、いくつかのビルを隔てた影に隠れた二人。そろそろ煙幕が消える時間だが、周囲を見回しても追いついてきた様子がないところを見るにどうやら撒くことができたようだ。ようやく落ち着いて作戦会議ができる、と二人はホッと息を吐き出し、しかし安心したままではいられないとすぐに話し合いを始めた。
「さーてどうしたもんかねぇ。純粋に技量で戦っても勝てねぇのは100%見えてるし……やっぱ策でどうにかするしかないか」
「うん、私もそう思う。疾風、なんか案ある?」
「一応な。お前、デッキいつものやつか? アレ入ってる?」
策があると言われて希望を感じた紗那だったが、疾風にアレと言われて一瞬首を捻った。が、すぐに思い当たるものがあったようで首を縦に振る。
「アレって……あぁ、もちろん。まぁあの二人に食らいつくとなればやっぱりアレくらいしかないよね……でも仕込みどうする? お互いまだ大して魔力使ってないけど、あからさまだと絶対バレるし……」
「だろうな。だがまぁ、アレが入ってるんならまだ行ける可能性はあるか。よし、こんな感じで行こうぜ……」
と、疾風は紗那に自分の考えた策を説明し始める。それを聞きつつ、紗那も頷きながら彼の作戦を頭に入れていった。
「……物好きだなお前も」
「さて……何のことでしょう」
一方こちらは対戦相手の二人。惚けるシュテルに対してショウは小さく息を漏らす。彼ら二人は追撃することはせず、元の場所に留まっていた。これまでにも煙幕を使っているデュエリストは数多く居た。また高火力の砲撃を放つことができるシュテルならば、煙幕を吹き飛ばすことは容易だ。故に、逃亡する二人を追おうと思えばいくらでもできた。
しかしシュテルがその選択をしなかったということは、あの二人がどのようにこの逆境に挑んでくるのか見たかったのだろう。
「まあいいさ……楽しくなってきたとこだし」
「ふふ……先ほどの言葉、そっくりお返ししておきます。あなたも私に負けないくらい物好きです」
二人のテンションこそ普段通りだが、口元には笑みが浮かんでいる。世間的にまだあまり有名ではないショウはともかく、シュテルは全国トップとして多くのデュエリストに知られている。それだけに
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