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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜風雪の忍と光の戦士〜
第十話 激突 ―エンゲージ―
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にいるかわからない場所から魔力弾を撃ってくるにしても、その後の追撃がなく一発だけというのは理に合わない。が、今も狙われていることは明白だ……
そう思った時。目の前のビルがマズルフラッシュのように瞬いたのが見え、疾風はそちらを注視する。しかしビルに穴などはなく、太陽の光でも反射したのか……? と、疾風はもう一度光った場所を見ようとする。が、その瞬間。
自分に向けて炎の奔流が駆け抜けてくるのが見え、疾風は目を見開いた。
「おわぁっ!?」
間一髪のところで疾風は紗那を突き飛ばし、直前まで自分たちがいたところを通り過ぎて行った炎熱砲撃をかわした。回避したのがギリギリだったため、肌にチリチリとした熱気を感じる。これを食らっていたら下手をすれば一発退場だったろう、と二人は戦慄した。
「疾風! 今のって……」
「おいおい、まさか……」
と、先ほどのビルを振り返る二人。美しかった窓の輝きは見る影もなく、先ほどの砲撃によってできた円形の穴ができていた。その縁は溶解しており、先ほどの砲撃がどれほどの高温によるものだったのかを示している。そしてその向こうには、デバイスを構えたシュテルが立っていた。そう、シュテルはビルの窓を通して二人の姿を視認して、まず小さな魔力弾によって道を開けた。それが、紗那が弾いた魔力弾の正体だ。その後本命の魔力砲撃を同じ場所に正確に放ち、二人を狙撃してきたのである。あの高威力の砲撃でかつこれほどの精密射撃を行うとは、いったいどれほどの努力を重ねたのか。
などともはや感動しつつ、なんとか回避できたとホッとしたのも束の間。風を切るような音に疾風が顔をあげると力みのないフォームでショウが剣を振りかざしていて、疾風は慌てて対応した。
二刀と二刀のぶつかり合い。互いに直撃をもらうことなく火花が散るが、純近接武器である剣を装備しているショウの方が徐々に疾風を圧倒し始める。そこに紗那もフォローに入るが、後ろにも目が付いているのかと疑いたくなるレベルで対応されてしまい、一撃すら入れることができない。
(だが、生憎こっちは銃剣なんだよな!)
ただの近接戦では敵わないと判断し、疾風はショウの剣を左手の刃で受け流しつつ右手のリラでさらなる斬撃を……加えると思いきや、トリガーを引いて魔力弾を発射した。
「っ!?」
さすがのショウも驚いたのか、無理な体勢での回避を余儀なくされる。その隙を逃すまいと紗那も後方から斬りかかるが、ショウは持ち前の超反応でそれを受け流す。疾風もそう長くこの状態は続けられないと判断し、今度は紗那に当てないようにしつつ銃撃と斬撃を織り交ぜて追撃しようとした。
が、シュテルの砲撃が接近してきているのが見えて疾風と紗那はショウから距離を離さざるを得なくなり、飛び退
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