暁 〜小説投稿サイト〜
フロンティアを駆け抜けて
謙虚な厳しさ、傲慢な優しさ
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ました。最後に一つ……ずっと食べるものがないとお腹がすくので、たまにはあなたをつまみ食いしてもいいですか? 殺したり人形にしたりはしませんから」
「うーん……意味がよくわからないけど痛かったり苦しくないならいいわよ?」

 ジェムは小首をかしげ、本当に理解していない風で安請け合いした。その様はさっきお互いに傷つけあったのだから友達とか言っていたのと同じ人とは思えないくらい無垢な子供で、なんだか可笑しかった。その気持ちを、素直に声に出すことが出来た。

「……ふふっ、これじゃわかりあうなんて夢のまた夢ですね、じゃあせいぜい頑張るのです」
「うん、頑張るわ! お願いラティ!」

 自分の相棒に声をかけ、ジェムたちはバトルタワーを昇っていく。もうアマノ側に手駒はない。後は彼さえ倒せばこの事件は終わるはずだ。その後の事は、ジェムの采配に任せるしかない。そう思いアルカは一度意識を手放して――もう一度、これからもずっとジェムの傍にいる償いを果たすために。安らかに眠った。
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