暁 〜小説投稿サイト〜
Muv-Luv Alternative 帝国近衛師団
プロローグ
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前書き [1] 最後 [2]次話
地球という惑星の中の日本という国家にある病院で一人の青年が死んだ。

 青年は病気が原因で死んだ。

 よくある話だ。

 まだ未来ある若者が不治の病に掛かりその生涯に幕を下ろした。



 ここまではよくある話だ。














 緑の草原に一人の青年が立っていた。

「ここは……どこ?」

 青年は周りを見渡すが、美しい草原がどこまでも続いており、上を見ても雲一つない青空が広がっていた。

 自分はいつここに来たのだろう?病院に居たはずではなかったのか?
 そんなことを考えながら青年はとりあえず前へと歩き出した。




 しばらく歩くと、前に何か見えた。
 目を凝らして見ると、それは人だった。
 人だったが椅子に座り、テーブルがあった。

 なぜこんな草原の中に人がいるのか?
 そんな疑問を持ちながらも青年は、その人物の下へ走り出した。
















「やぁ、待っていたよ」

 椅子に腰かけている人物は走ってきた青年に言った。その人物は、男性で黒いスーツに身を包みお茶を飲みながら青年を見つめていた。
 青年はスーツを着た男性の言葉をよく理解できなかった。

 僕の事を待っていたのか?じゃあなぜ僕の事を待っていたんだ?

 そんなことを考えていたが、男性が再び口を開いた。

「まぁ、座ってくれたまえ。走ってきて疲れているだろう」

 テーブルを挟んで一脚の椅子が置かれていた。青年は、走った疲労もあり素直に椅子に座った。

「あの〜……ここはどこでしょうか?」

 青年は恐る恐る男性に質問した。青年にとっては、病院に居たはずがいきなり草原のど真ん中に居たので、ここはどこなのかを知るのが優先事項だった。

「ここは……ん〜どういえばいいかな?………精神世界とでも言っておこう」
「精神世界……ですか?」
「そう精神世界。今のこの空間には私と君しかいない」
「…………いやそう言う冗談は良いので、ここはどこなのですか?」
「信じてくれないのか?まぁ、いきなりそう言われても理解できないしわからないか」

 青年の言葉を素直に受け止めた、男性は少し腕を組んで考える素振りをした。そして考えが纏まると青年を見つめた。

「ここは精神世界だよ」
「さっきと変わってないじゃないですか!?」
「そう表現するしか私にはできないね。でも君も分かってるんだろ?」
「何をです?」
「ここが現実世界ではないことを」

 そう男性が言った途端に青年は激しい頭痛に襲われた。しかしその頭痛は数秒で収まったが、青年の顔は青白く、身体が震えていた。

「僕に……何をした…!?」


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