ガンダムW
1663話
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綾子は乙女っぽいところが多い。
恋愛映画も、十分に見るのは好きだ。
……外見というか、他の者にとってみれば綾子は凜々しい系の美人であり、MSパイロットを……それもシャドウミラーのMSパイロットをやっている事もあって、武断的な性格をしているように見られる事が多い。
いや、実際他の奴と接している時はそんな風に見えるんだから、別に無理にそうしている訳ではないんだろう。
寧ろ、俺と一緒にいる時に女として……恋人としての自分を出しているという事で。
「ドクトルSを引き入れる事が出来たのは運が良かったし、その部下の科学者はその殆どがこっちに合流してきた。それに比べれば、軍艦を連合軍に渡す程度、どうという事もない、か」
「そうでしょうね。それより、そのドクトルSと話はしたの?」
「深いところまでは話してないけど、ある程度はな」
そう告げながら、次に何の映画を見るか……と迷っていると、不意に部屋の通信機が着信の音を知らせてくる。
ちっ、いいところだったのに……もう少し綾子と甘い一時を過ごしたかった。
そう思いながらも、映画自体は終わっていたので、そういう意味では意外といいタイミングだったかもしれない。
綾子に視線を向けると、返ってきたのはしょうがないといった笑み。
まぁ、今の状況でゆっくりと甘い時間をすごせるだけの余裕がある訳じゃないしな。
「何かあったのか?」
『お忙しいところ、すいません』
映像モニタに映し出された艦長が、申し訳なさそうに頭を下げる。
「いや、何かこれと言って忙しい用事があった訳じゃないしな。気にするな。それで、どうしたんだ?」
まさか、綾子とイチャついてた……なんて事を口に出来る筈もなく、そう告げる。
そもそも、俺達がここにいるには、あくまでもピースミリオンを入手する為だ。
つまり一種の軍務な訳で……寧ろ、そんな中でイチャついていたから仕事を出来ませんでしたなんて事になれば、D-120コロニーに戻ったら凛に何て言われる事か。
『はい。実はそろそろ目的の宙域に到着するという事ですので』
「……そうか、もうそんな時間か。分かった、それで俺達はどうすればいいんだ?」
『まずないと思いますが、もしどこかの勢力が襲撃して来た時の為や、ピースミリオンを起動させる時に何らかのトラブルがあった時に備えて、MSで待機して貰いたいのですが』
「分かった」
短く答えると、そのまま通信を切る。
そんな俺と艦長の通信を聞いていた綾子は、不思議そうにこちらに視線を向けてくる。
「狙われたりする可能性が本当にあると思う?」
「どうだろうな。皆無……とは思わないけど」
OZやバートン財団にとって、今の俺達というのは非常に狙いやすい存在なのは間違いない。
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