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真田十勇士
巻ノ八十五 猿飛大介その十三

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 彼等は再び天下に散ることになった、しかしここで幸村は彼の義兄弟達にさらに言った。
「天下の動きを見ると共にな」
「天下におられるですか」
「優れた方々とお会いして」
「術を磨く」
「そうせよというのですな」
「大介殿だけではない」
 猿飛の祖父である彼以外にだ。
「宮本武蔵殿、果心居士殿、風魔小太郎殿とな」
「色々とですな」
「天下には優れた術の方々がおられる」
「その方々と会い」
「術を磨けというのじゃな」
「そうせよ、拙者も然りじゃ」
 幸村自身もというのだ。
「己の技を磨く」
「殿もそうされるのですな」
「その様にですな」
「されてそして」
「そのうえで」
「うむ、己を磨く」
 こう十勇士達に言った、己の決意を。
「これ以上に強くなり人としてもな」
「力をですな」
「そしてですな」
「天下一の武士になられる」
「そうされますか」
「御主達と共みな」
 まさにという言葉だった。
「拙者も然り、ではよいな」
「はい、我等もです」
「是非そうしていきましょう」
「我等は天下人や官位や富は求めませぬが」
「道を求めます」
「だからこそ」
「そうするぞ」
 こう言ってだ、彼自らだった。天下に出て己を磨くのだった。そうして天下一の武士を目指していくことにした。


巻ノ八十五   完


                        2016・12・7
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