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レインボークラウン
第四百二十三話

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              第四百二十三話  錬金術として
 牛乳を飲みつつだ、亜美は自分の使い魔であるアルテミスとセレニティに対してこんなことを言った。
「牛乳は最高や」
「美味しいし身体にいい」
「だからですね」
「しかも錬金術にも使えるしな」
 亜美は二匹にこの要素も話した。
「こんなええのないで」
「ああ、錬金術にですね」
「そういえば使いますね」
「そやろ、例えばチーズとかバターを作るのもな」
 それもというのだ。
「錬金術やしな」
「そういえばそうですね」
「それもまた錬金術ですね」
 二匹も主のその言葉にそれぞれ納得した顔で頷いた。
「何かから何かを作り出すのが錬金術ですから」
「そう言っていいですね」
「そしてチーズやバターも使える」
「錬金術にですね」
「そちらに」
「そや、こうして考えていくとや」
 亜美はさらに言った。
「牛乳はほんまええ、ただな」
「ただ?」
「ただといいますと」
「実はこれお水もやで」
 ごく普通にその辺りにあるこの液もというのだ。
「普通にええで」
「飲めてしかも錬金術に使える」
「だからですね」
「まあ錬金術って別に金を生み出すだけやないし」 
 これが究極の理想であるがだ。
「チーズやバターを生み出してそこからさらに作るのもな」
「それもまた錬金術」
「生み出すものであるから」
「そういうこっちゃ、そう思うと牛乳もお水も一緒や」
 その両方がというのだ。
 しかしだ、ここでこうも言ったのだった。
「けれど飲んで身体にええのは牛乳やな」
「カルシウムに蛋白質もありますし」
「非常にいいですね」
「お水はただ飲むだけや」
 水分補給、確かにこれも重要であるがだ。
「そう思うと牛乳はやっぱりええわ」
「そうですね」
「まさにその通りですね」
「ああ、美味しいしや」
 こう言って牛乳を飲むのだった、亜美はその牛乳の美味しさを感じつつそのうえで錬金術のことを考えるのだった。


第四百二十三話   完


                        2017・2・23
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