第十幕その十
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この日は大佐のお話を詳しく聞くことにしました、まずはそれからでした。
大佐とは宮殿の会議室でお話してでした、アンは詳しいお話を聞いて言いました。
「グリンダさんが来られてからなのね」
「はい、詳しいことはです」
「お話してくれるの」
「アン王女にもカリフ王にも」
二人共、というのです。
「お話したいことはです」
「その時になのね」
「されるとのことです」
「そうなのね、わかったわ」
「では私はです」
ここで大佐は生真面目な声で言いました。
「今日は皆様の警護をさせて頂きます」
「いえ、いいわよ」
アンは大佐の言葉にすぐに言い返しました。
「別に」
「そうですか」
「だって兵隊さんなら私の国にもいるし」
それにというのです。
「しかもね」
「しかも?」
「貴女はお客さんだから」
だからというのです。
「そんなことはしなくていいわ」
「それでは」
「一緒に遊びましょう」
アンは大佐ににこりと笑って答えました。
「今日はね」
「遊びですか」
「遊ぶわよね、貴女も」
「遊びと言われましても」
戸惑った声で、でした。大佐はアンに答えました。
「私はそうしたことは」
「しないの?趣味は?」
「読書、音楽鑑賞、仕事の勉強に乗馬、そしてヘリコプターの操縦です」
「あら、遊びはないの」
「剣術の稽古は日課してしていますが」
「フェンシングね」
「はい、ですがスポーツは乗馬と剣術だけで」
やっぱり生真面目な感じで言います。
「他は」
「剣道は?」
アンはふとこちらも尋ねました。
「しないの?」
「私が日系人だからですか」
「ええ、だからふと思ったけれど」
「剣道もしないです」
大佐はまた答えました。
「そちらも」
「そうなのね」
「フェンシングはしますが」
「剣術はそちらなのね」
「はい、他はしません」
「それと乗馬ね」
「そうです」
本当にこれだけだというのです。
「私は」
「それはまた、けれど球技や他の遊びは出来るわよね」
「自分ではそう思いますが」
「ならいいわ、一緒に楽しみましょう」
「遊びをですか」
「色々あるから」
遊びと一口に言ってもです。
「楽しみましょう」
「それでは」
大佐はアンに生真面目に応えました、そのうえで皆と一緒に遊びはじめましたが今日の遊びはウーガブーの国の花園で隠れんぼでした。
薔薇や菫、菊に菖蒲に牡丹に向日葵とです。色々なお花が壁の様に飾られているその中を隠れんぼしていますが。
鬼役のアンは皆を次々に探し出して言いました。
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