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オズのアン王女
第十幕その八

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 その兵隊さんがです、アンに敬礼してから言ってきました。
「お久しぶりです、アン王女」
「あら、貴女は確か」
「はい、カドリング軍のレッド=エサカ大佐です」
 黒髪をロングヘアにしていて黒い大きな目は切れ長です。お人形さんみたいなお顔で小柄で楚々とした外見です。
 そのレッド大佐がです、アンに言ってきました。
「今日は我が主グリンダの使者として来ました」
「あの人からの」
「グリンダ様は明日来られますので」
「この国に?」
「アン王女とノーム王にお話したいことがあるとのことです」
「余にもか」
「はい」
 大佐はカリフ王に微笑んで答えました。
「左様です」
「グリンダさんの力なら余が何時何処にいるのかもわかるからか」
「ノーム王にもです」
「お話したいことがありまして」
「それでなのか」
「はい、明日この国に来られます」
 ウーガブーの国にというのです。
「そうされます」
「そうなのね」
「明日か」
「それで私は先にお知らせする使者としてです」
 その立場として、というのです。
「ヘリコプターで来ました」
「そうだったの」
「はい、お騒がせしたでしょうか」
「いえ、別にね」 
 アンは大佐に微笑んで答えました。
「驚いていないわ」
「そうであれば何よりです」
「こちらこそね」
「あと、いいですか?」
 ジョージは大佐のお顔を見ながら本人に尋ねました。
「一つ気になったことがありますが」
「何でしょうか」
「大佐はアジア系ですね」
 ジョージが尋ねたのはこのことでした。
「それもお名前から日系の方ですよね」
「はい、そうです」
 その通りだとです、大佐はジョージににこりと笑って答えました。
「私は日系人です」
「やっぱりそうですね」
「アメリカには日系の人もいますので」
「だからですよね」
「私の様なものもいます、我が軍の元帥はアフリカ系の方ですし」
「アメリカの大統領と同じですね」
「その様ですね」
 大佐は二人に笑顔でお話しました。
「そちらのお国も」
「そういえばオズの国も最初は」
 その時のことはです、大尉は言いました。
「白人しかいませんでした」
「そうでしたね」
「そう、それがです」
 今のオズの国はといいますと。
「アジア系、アフリカ系、ヒスパニックとです」
「色々な人が一緒にいますね」
「五つの国全てに」
「中華街もありますし」
「かなり変わりましたね」
「そうですよね」
「ドロシー王女が最初に来られた頃はです」
 大尉はその時のこともお話しました。
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