暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第4章:日常と非日常
第99話「ふざけないで」
[8/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
くように抱き着かれた。ふと見れば、尻尾を千切れんばかりに振っている。

「あっ、しまっ...!」

 抱き着かれ、倒れ込む拍子に張っておいた結界の術式に触れてしまう。
 さらに、私自身も結界の壁にぶつかり、結界が割れてしまう。

「....えっと、優ちゃん?」

「こ、これって...。」

 外で待っていた皆が私たちの様子に固まる。

 ...まぁ、当然だろう。
 今の私は、顔を上気させた椿に抱き着かれている状態なのだから。

「つ、椿....?」

「.....!」

 まるで甘えるかのように椿は私に体を擦りつけてくる。

「....何したの?」

「ちょ、ちょっと繋がりを強くする行為を...。...多分、その結果椿の色々な箍が外れてこんな暴走状態みたいに...。」

「なにしちゃってるのさ...。」

 完全に顔が蕩けちゃっている時点で、何をしたのか皆大体察したのだろう。
 例え間違った察し方でも、顔を赤くしている時点で、近しいものを想像したのだろう。
 ...葵だけはいつも通りの調子だから分からないけど。

「....?あれ...?」

「今度はどうしたのさ優ちゃん...。」

 私の呟きに葵が呆れたような声で聞いてくる。

「いや...なんというか...女性でいる事に、違和感が...。」

「いや、普通は違和感があると思うよ?」

「...そういう事じゃないと思うよ。多分、これは...。」

 私に突っ込んだ司にそう言いつつ、葵は私をじっと見つめてくる。

「...兆候、かな?これなら早いうちに元に戻れるかも。」

「....よかった。」

 今日中とまではいかなくても、これで早めに元に戻る事がわかった。
 繋がりを強くした事で、私に混じっていた椿の因子が戻っているのだろう。

 早めに戻ると分かった事で、司と奏もホッとしている。
 やっぱり、元の姿の方が馴染み深いからそっちの方がいいんだろうね。

「さて、そうと分かれば家に帰って戻るのを大人しく待つとするよ。...椿をこのまま放ってはおけないしね...。」

「そうなったのは優輝君が原因な気がするけど...うん、それじゃあここまでだね。」

 そういって、私たちはそれぞれ家に帰っていった。
 あ、椿は私が背負ったよ。何故か離れようとしてくれなかったから。







 結局、椿は家に帰っても元に戻らなかった...いや、調べてみた限りだと、どうやら無意識に動いているだけなようで、つまりは気絶してるだけらしい。
 葵曰く、私に対する気持ちだけで動いているかもしれないとの事。

 ...とりあえず、元に戻ってからが怖いなぁ。









[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ