第4章:日常と非日常
第99話「ふざけないで」
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とりあえず神社に戻ろうとする最中、椿がそういう。
何かに気づいたように呟いた優奈が、その言葉に反応する。
「あ、れ....私、さっきまで何言ってた?」
「え...?どういうこと...?」
まるで、先程の事を覚えていないように言う優輝に、椿は訝しむ。
「実は...途中から記憶がないんだけど...。」
「ちょっ、それってどういう...。」
“事なのか”と聞こうとした時、そこへ誰かが追いついてくる。
「...あれ?奏ちゃん?」
「.......。」
昼食を食べ終わったらしい奏が、少し息を切らして追いついて来た。
そして、そのまま優輝を見つめる。
「....優輝さん、よね?」
「えっ....。」
どこか確信めいたような瞳で、奏はそう言った。
「...優輝さんが留守にしては、椿さん達がそれに同行していないのは不自然。何かしら事情があるなら、事前にそれを説明するくらいには、椿さんと葵さんは用意周到だから、敢えて別行動という線も薄い....。」
「........。」
奏の考察を、優輝達は黙って聞く。
所々、まさかそこに気づかれるとは思わなかった箇所があり、少し驚く。
「...そして何よりも、優輝さんの話が度々出ていたのに、椿さんも司さんも一切驚くような反応を見せなかった。....だとしたら、何かしらの理由で優輝さんの性別が変わった...って考えただけ。」
「しまった...そこは盲点だったなぁ...。」
「確かに、皆が知らない話を出したら何かしらの反応を見せるのが当然よね...。」
気にしている相手に関する事だからこそ説得力がある考察に、椿と葵も素直に認める。
「....大当たりだよ。まぁ、ちょっとした事情で思考含めて女性になったの。」
「当然、優輝の親戚の優奈なんて存在しないわ。架空の人物よ。」
諦めて簡潔に説明する優輝と椿。
別に、優輝について知っているため、そこまで誤魔化す事でもないからだ。
「...でも、本当に凄い演技だった...。まるで本物みたい...。」
「...あー...その事なんだけど...。」
先程の優輝の反応から、葵が何かあるのかもしれないと、言い淀む。
「...リヒト、私がさっきまで何を言っていたか、記録してる?」
〈はい。...しかし、本当に覚えていないのですか?〉
「どうやら...ね。」
「...?どういう事...?」
どういう事か分からない奏を余所に、優輝はリヒトの記録を再生させる。
再生されるのは、先程の神夜とのやり取りだ。
「....え、これ...本当に、演技...?」
「奏ちゃんもそう思う?あたし達も一
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