第4章:日常と非日常
第99話「ふざけないで」
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=out side=
「あれ?アリサとすずかはついて行かないの?」
「元々偶然会っただけだしね。」
翠屋にて、残ったアリサ達に、アリシアが話しかける。
「.......。」
「奏、ずっと優奈の事見てたけど、どうかしたの?」
「....何でもないわ。」
終始無言だった奏にアリシアが聞くが、奏ははぐらかす。
「それにしても、神夜が追いかけて行ったね。」
「...大方、司さんを追いかけに行ったんでしょ。好きみたいだし。」
神夜もいなくなっている事について、アリシアが言うが、アリサがばっさり言い捨てる。
自身を魅了していた張本人なため、もう好意的に見る事ができないのだ。
「.......。」
そんな会話を余所に、奏は何かを考えるように昼食で頼んだ料理を食べていた。
一方、優輝達の方では...。
「(...あれ、もしかして...。)」
姿を現した神夜に、司はある事に思い当たる。
「ま、待っ....!」
司が慌てて優輝...優奈を呼び止めようとするが、もう遅かった。
優輝はそのまま、神夜と目を合わせる。
「(女の子になったんだったら、もしかしたら魅了が...!)」
そう。司は魅了について懸念していた。
優輝は今まで男だったため、魅了に対する耐性に関して何もしていなかった。
司の加護も、優輝に対しては発動した事がなかったので、掛けられていない。
つまり、魅了対策がないまま、優奈は神夜と向き合ってしまったのだ。
「...どうしたの?司。」
「え、あれ....?」
何かを言いかけた司に気づき、優奈は振り返る。
その平気そうな様子に、司は拍子抜けする。
「(ぶ、無事...?)な、なんでもないよ...。」
「...?そう?」
とりあえず、平気そうだという事で、司は何でもないと誤魔化す。
その様子に優奈や椿達は訝しむが、安堵している様子から大丈夫だろうと判断する。
「(確か、魅了が効かない人は、魅了に対する耐性があるか、好きな人が既にいるからだったはず...。でも、耐性がある人なんて、早々いるはずが...。)」
魅了が効かなかったのはいいものの、その訳を考えてしまう司。
耐性を持っている人が今までいなかったため、必然的に好きな人がいると考える。
ちなみに、マテリアルズは司のリンカーコアから吸収した闇の書のデータから耐性を得ていたが、覚えていないのでノーカンである。
「(じゃ、じゃあ優輝君には既に好きな人が...!?そ、そんなぁ...。)」
「...司ちゃん、大丈夫?」
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