旧
13話
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「ならそれを省けば、ヴリトラが死にました。魂の一欠片も残さずに消滅してしまいました。どうすることもできません」
ヴリトラは最後までオレに付き合い、全ての力をオレに託し、龍の属性を出来る限りオレから奪い取った。それでも、オレの存在はチリのような残滓しか残らなかったが、それを利用して逆召喚してあの世界から帰ってこれた。オレが今ここにいるのはヴリトラのおかげだ。
「だから、ヴリトラがこの世に存在していたことを証明するために黒蛇竜王の名を引き継ぎます」
ヴリトラの生きていた証を少しでも残すためにオレは黒蛇竜王を引き継ぐ。
「そうですか。それに関しては匙の判断に任せます。それから、何故顔を隠しているのですか?」
「刺青、魂に刻まれてるみたいで消せないんですよ。利用方法は模索中です」
「いえ、利用しなくていいですから」
だが断る。こっそり裏で研究・開発するか。
「匙!?もう大丈夫なのか」
「すまんな。世話になった、兵藤、ヴァーリ」
「たいしたことではない。むしろすまない。オレたちがもっとしっかりしていればあのような状況に陥ることはなかったのだが」
「いや、オレも残党狩りを放ったらかしにしていたからな。修学旅行の後に追撃をかけておくべきだった」
「いつもなら否定するところだけど、今回のことを考えるとな」
「ああ、そう言えばお前たちに問題は?とりあえずオレの問題はある程度は片付けたが」
「「ある程度?」」
「また身体も魂も神器も変化したからな。それの調整とか限界を調べたりするのがまだでな」
「また変化してるのかよ!?どこまで変化するつもりなんだよ」
「あと2〜3回で済むといいなぁ。会長とセラフォルー様からの説教とその後の説得が辛いから」
「怖くねえのかよ。変わっちまうことに」
「今更だろ?人間やめて転生悪魔になって、よく分からない器みたいな存在になって、幽霊になって、ダークマターみたいな存在になって、今は人形に憑依してる形になるからな」
「ごめん、オレも付いていけないわ」
オレも自分で言っててちょっとだけ引いた。ヴァーリも顔をしかめている。
「それで世話になったついでなんだが、ヴァーリ、頼みがある」
「今回はオレたちの失態でもある。何を望む?」
「残党狩りだな。情報が入ってな、まだ英雄派が5、6人生き延びている。そいつらの排除だな。オレはしばらく動けん。というか、動かしてもらえない」
「会長たちに?」
「それもあるが、冥界の老害共がな、オレを危険視して存在ごと封印しようとしてやがるらしい。オレとしては強引にやってくれれば反撃して殲滅できるんだが。被害が大きすぎるからと却下された。無
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